企業で長期にわたって勤務していると、時々与えられるのがサバティカル休暇です。
サバティカル休暇にはどんなメリットがあるかご存知でしょうか。
今回はメリットと共にサバティカル休暇の活かし方もあわせてご紹介します。
Contents
サバティカル休暇のメリットを解説
サバティカル休暇は一定の在職期間を経た社員に対して与えられる長期休暇のことを指します。
この休暇期間については企業によってばらつきがあり、大体数か月から1年程度の期間になるようです。
有給休暇は年次休暇ですが、サバティカル休暇はそれとは違い、休暇理由に決まりがないプライベートな長期休暇です。
海外留学や資格取得といった能力向上を目的としたり、育児や介護にあてたりと、様々な目的のために使われます。
サバティカル休暇は元々欧米企業が取り入れていた制度で、日本で導入され始めたのは2018年頃からです。
サバティカル休暇の導入背景には働き方改革の存在があります。
経済産業省が「人生100年時代の社会人基礎力」に基づいた学び直し制度に伴って導入を呼びかけたのが始まりです。
今回はそんなサバティカル休暇のメリットや活かし方をご紹介します。
サバティカル休暇の特徴
では、実際にサバティカル休暇の特徴はどういった点にあるのでしょうか。
注目される背景と共にその特徴を解説していきます。
注目される背景
サバティカル休暇のサバティカルとは、和訳すると「休息」「安息」といった意味になります。
サバティカル休暇の発祥は欧米の大学職員の長期休暇です。
大学職員が別の研究機関へ赴いて新たな専門知識を身につけたり、気分を一心させたりするための制度でした。
日本の大学でも同じ目的でサバティカル休暇は導入されています。
経済産業省がサバティカル休暇を推奨するのは、労働者の長期的なキャリア形成のきっかけになると考えているためです。
インターネットの普及で労働形態に変化が生じると、企業は資本よりも人材に価値を求めるようになりました。
スキルを持った人材の価値が高まるなかで、サバティカル休暇はスキルアップに有効な休暇として注目を集めています。
ワークライフバランスを意識
サバティカル休暇は1990年代に欧米企業が取り入れ始めた制度です。
その頃の欧米企業では、ワークライフバランスを重視する価値観が浸透し始めていました。
これにより、仕事ばかりを強いられていた優秀な人材が次々と退職してしまったため、人材が企業から離れない施策が必要でした。
そこでプライベートな事も大事にできるよう、理由がなくても長期休暇を取れる制度としてサバティカル休暇が生まれたのです。
近年の日本でもワークライフバランスを重要視する動きが強まっています。
長時間労働で過労死する事件が問題となっている中、労働者のプライベートな時間を守るのがサバティカル休暇の役目なのです。
サバティカル休暇を取り入れている企業は年々増加しています。
もしサバティカル休暇のある企業を求めて転職活動をしている場合は、転職エージェントを利用してみましょう。
転職エージェントは希望条件に沿った企業の求人を紹介してくれます。
サバティカル休暇のメリット
ここでサバティカル休暇のメリットをご紹介します。
プライベートな時間に使うことができるサバティカル休暇はどんなメリットを持っているのでしょうか。
長期休暇でリフレッシュできる
一般企業であれば週休2日制を導入していることが多いので、通常休暇は週に2日となります。
しかし、2日だけでは仕事のストレスや蓄積した疲労を癒すことは難しくなります。
サバティカル休暇は長期休暇なので、そんなストレスや疲労を癒して心身ともにリフレッシュすることが可能です。
精神的な負担や過労死にもつながる疲れを癒せることは健康面でのメリットが大きいといえるでしょう。
さらに、育児や介護といった家庭内の課題にも取り組むことができるため、これらにまつわる離職を防ぐこともできます。
モチベーションが上がる
心身のリフレッシュができる長期休暇があることで、働く側のモチベーションもアップします。
また、企業から離れた場所で新たな経験を積むこともできるのがサバティカル休暇です。
- 海外留学
- 資格取得
- ボランティア活動
- 社会人インターン
こういった経験を積む中で、働いているだけでは得られない知識や人脈を身につけることができます。
視野が広がることで新たな価値観が生まれ、新しい発想や可能性を得るきっかけにもなるでしょう。
こういった発想や可能性は企業の財産にもなりますし、働く側のモチベーションも上がります。
働く側のモチベーションが上がれば企業としての生産性も上がるので、双方にとってメリットがあるといえます。
貴重な経験ができることもある
日本企業は就職後に長期休暇が取れないことでも有名です。
海外留学や大学院、専門学校など新たな知識を身につけるための進路は休職や退職をしなければ叶えられませんでした。
しかし、サバティカル休暇があればそんなイメージを覆して長期休暇を取ることができます。
会社を休職・退職せずにスキルアップに繋がる経験をすることができるのです。
働く側がサバティカル休暇を利用してスキルアップすれば、企業に優秀な人材が増えることになります。
企業によってはこういったスキルアップを目的としたサバティカル休暇に手当金を出す場合もあるようです。
サバティカル休暇のデメリット
メリットがあればデメリットもあるのが普通です。
サバティカル休暇にはどんなデメリットがあるのでしょうか。
業務分担が大変
1人の社員が長期休暇を取る時は、担当業務を他の社員に任せなければなりません。
その場合、他の社員は自分の担当業務に加えて休暇をとっている社員の業務もやらなければならないので負担が大きくなります。
引き継ぎや連絡をしっかりしていないと現場が混乱し、業務量が無駄に増加してしまう可能性があります。
また、うまく業務を分担しなければ誰か1人にしわ寄せがいき、健康面や精神面に影響がでることもあるでしょう。
さらに、サバティカル休暇後に復帰した際、職場復帰に問題が発生するケースも存在します。
休暇前と同じポジションで問題ないのか、仕事内容を覚えているのかなどの懸念が生まれるのです。
職場環境も日々変化するものなので、その変化についていけずに苦労することもあるでしょう。
復帰後に元の担当業務に戻れない場合は昇進にも影響する可能性もあります。
離職の可能性がある
サバティカル休暇には新たな知識や経験を得ることができるというメリットがあります。
しかし、それがきっかけで別の分野に興味が湧いて離職に繋がる可能性も出てくるのです。
また、復帰後にうまく職場に馴染めない場合も離職を選択する可能性があるでしょう。
企業としてはサバティカル休暇後にすぐ離職しないようある程度の条件を設定することが多いようです。
また、復帰後の職場の環境変化に対するフォローアップをすることで離職を防ぐ企業も存在します。
給与が出ないこともある
サバティカル休暇は有給休暇とは違い、企業によって規定が異なります。
欧米企業は手当を支給することがありますが、日本ではまだ浸透していない制度のため無給となるケースが多くなります。
長期休暇中の収入がなくなることで生活に支障がでる可能性があることはデメリットといえるでしょう。
サバティカル休暇を取る時は、休暇中の生活資金も考えなければなりません。
サバティカル休暇を有効に使うポイント
サバティカル休暇はプライベートを大切にできるように導入された制度ですが、真の目的はキャリアの見つめなおしです。
日本は世界有数の超高齢化社会国なので、国民1人ひとりが人生100年を見据えたライフプランを立てていく必要があります。
これまでは1つの会社で終身雇用されることを目的とした働き方が基本でした。
しかし、これからはセカンドキャリアを想定した長期的なキャリア形成が必要になってきます。
経済産業省はサバティカル休暇というキャリア形成の見つめ直しと学び直しを目的とした長期休暇を推奨しているのです。
日本企業もグローバル化社会に適合した開発や戦略が求められており、社員の意識改革やスキルアップの必要性が高まっています。
こういった人材を育成するためにも、リフレッシュを兼ねたサバティカル休暇は必要といえるでしょう。
そのため、ただ何もせずだらだらと過ごすのではなく、目的をもって休暇を取ることが大切となります。
- 今後のキャリア形成に必要な資格取得を目指す
- 海外留学や旅行へ行って新しい刺激を受ける
- 挑戦してみたかった業種で働いてみる
こういった新たなスキルや視点が得られる目的を持ってサバティカル休暇を取得することをおすすめします。
サバティカル休暇の活かし方
サバティカル休暇を与えられた場合はどのように活かすと良いのでしょうか。
ここでは特におすすめの方法をご紹介します。
旅行に出かける
心身をしっかりリフレッシュさせるためには、現状から抜け出すことが大切です。
そのため、国内・海外問わず行きたい場所へ旅行に出かけることがおすすめです。
いつも過ごしている場所から離れて様々な体験をすることで、溜めこんでいたストレスや疲労から解放されるでしょう。
また、旅行先で新たな出会いや知見が広がることで、業務のアイデアの幅も広がる可能性があります。
新しいことを学ぶ
サバティカル休暇はキャリア形成に必要なスキルや知識の学びなおしの場でもあります。
長期休暇を利用して専門学校や大学院・資格取得・海外留学などに挑戦してみるのもおすすめの方法です。
以前から学びたかったことや、業務上で必要になりそうなことを学べば新たなスキルや知識が身につきます。
現代の日本ではリカレント教育が重要視されています。
リカレント教育とは、学校を卒業し働くようになっても、一生涯にわたり学び続ける制度のことです。
リカレント教育はスウェーデン発祥の制度で、フルタイム勤務と就学を繰り返すことを前提としています。
しかし、日本ではそのような文化が根付いていないので、短期留学や通信教育などを含んでいます。
サバティカル休暇は本来のリカレント教育の制度を浸透させることができるものです。
年齢や性別に関わらず、新しいことを学び続けることでセカンドキャリアを見据えたスキルや知識が身につくでしょう。
普段できないことをやる
サバティカル休暇は働いている時にはできないこともできるのが特徴です。
興味がある分野の仕事を副業としてやってみたり、ライフイベントに合わせて過ごしてみたりするのもおすすめです。
このように、サバティカル休暇は人生設計においても重要な役割を果たすことがわかります。
サバティカル休暇がない企業よりもある企業のほうが社員のことを考えていると感じる方も多いでしょう。
サバティカル休暇がある企業は少しずつ増加しているため、希望すれば転職エージェントから求人を紹介してもらえます。
もしスキルアップを目的とした長期休暇を求めて転職活動をしている時は、転職エージェントに相談してみましょう。
サバティカル休暇を導入している企業例
サバティカル休暇は実際どのような企業に導入されているのでしょうか。
代表的な企業の例をご紹介します。
ヤフー株式会社
ヤフー株式会社は2013年に日本でいちはやく「サバティカル制度」を導入した企業です。
サバティカル制度は10年以上勤務している正社員に対し、2か月から3か月の範囲で休暇を与える制度です。
サバティカル休暇中は休暇支援金として1か月分の給与が支給されます。
この制度の特徴としては、休暇後にレポート提出が必要な点が挙げられるでしょう。
これは休暇の取得目的を明確にするための規定となっています。
また、この制度は有給休暇との併用も可能となっています。
ヤフー株式会社は他の国内企業よりも有給取得率が高いことでも有名です。
ソニー株式会社
ソニー株式会社は2015年にサバティカル休暇として「フレキシブルキャリア休職制度」を取り入れています。
キャリア形成に必要な学習や体験に限られた制度ですが、休職期間が長く設定されているのが特徴的です。
自費で海外留学する場合は最長2年、配偶者の海外赴任・留学同行は最長5年の休暇期間が与えられます。
休職中は基本的に無給となりますが、社会保険の本人負担分が会社から支給されます。
自費で海外留学をする場合は初期費用として最大50万円が支給されるのも特徴的といえるでしょう。
さらに2017年からは「休職キャリアプラス制度」が導入されました。
配偶者の海外赴任の同行の場合、復職まで長期間ブランクが生まれるため週2日のテレワークを実施するものです。
もちろん在宅ワークや研修費用の補助もしてくれます。
育児や介護で休職する場合にも適用され、休職した社員が職場に復帰しやすい制度となっています。
サバティカル休暇で心身ともにリラックスしよう
サバティカル休暇は企業と社員どちらにもメリットのある長期休暇制度です。
日本は高度経済成長期から働くことに重点を置いた生活スタイルが浸透していましたが、近年ではそれが崩れつつあります。
働くことばかりを重視しているとワークライフバランスが崩れ、心と体が壊れてしまったり、家庭に亀裂が入ったりします。
働き方改革として様々な制度が整備される中で、サバティカル休暇も少しずつ重要性を増してくるでしょう。
キャリアアップを目的としていても、まずは心身が癒されなければ行動できません。
特に女性は結婚や出産・育児などのライフイベントが多いため、こういった制度があると安心できます。
転職相談は転職エージェントを活用しよう
サバティカル休暇は心身の健康と将来的なキャリア形成を守るために必要な制度といえます。
しかし、まだまだ浸透していない制度で、サバティカル休暇のある企業を探すことは難しいのが事実です。
そんなサバティカル休暇を導入している企業を探して転職活動を行っている時に利用したいのが転職エージェントです。
転職エージェントは希望条件に合わせた求人の紹介をしてくれます。
時にはネットで探しても出てこない貴重な非公開求人を紹介してくれることもあります。
まずはサバティカル休暇を導入している企業の情報を得て、自分の強みを活かせるのがどの企業か見極めてみましょう。
まとめ
サバティカル休暇は欧米企業から日本企業に伝わった長期休暇制度です。
単に心身の健康を守るだけでなく、今後のキャリア形成に必要なスキルアップのために利用することができます。
まだ日本では馴染みの浅い制度ではありますが、導入企業も増加しています。
転職活動をする際は企業選びのポイントの1つにしてみるのもおすすめです。
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