転職活動で面接を受ける際に前職を退職した理由を聞かれることは多くあります。

退職理由が家庭の事情だった場合には、伝え方によってはマイナスのイメージになってしまうこともあるでしょう。

結婚や転勤、子育て、看病、介護など家庭の事情にもさまざまな理由があります。

本当の退職理由を言いたくなくて家庭の事情をいうケースもあるでしょう。

本来であれば退職理由を偽ることはしないほうがベストです。

ただ、どうしても家庭の事情としたい場合の注意点や本当に家庭の事情である場合の注意点について解説します。

応募先の企業に受け入れてもらいやすい伝え方についても理解しておきましょう。

円満退職できる退職理由

どのような事情であれ退職は円満に進める必要があります。

円満な退職がスムーズな転職活動にもつながるからです。

前職を退く際にトラブルを起こしてしまっていると、万が一どこからか情報が入った場合には不利になってしまいます。

退職時にはトラブルがないように円満退職できる理由をしっかり決めておくことが大切です。

「ネガティブ」よりは「ポジティブ」な方がいい

退職理由はネガティブな理由よりもポジティブなもののほうがベストです。

たとえば、寿退社がもっともポジティブな理由ともいえるでしょう。

妊娠を機に退職、パートナーの転職で退職なども比較的受け入れてもらいやすい理由となります。

逆に報酬や評価への不満や働き方への不満などが理由な場合はネガティブな印象になりがちです。

また体調不良なども転職の際には比較的マイナスにとらえられがちです。

やむを得ない事情も理解されやすい

退職の理由がやむを得ない場合も理解されやすいでしょう。

たとえば、パートナーの転勤、介護や看病などがこれにあたります。

自分ではどうすることもできない事情が起きたという理由であれば企業側も退職をマイナスにはとらえないケースが大半です。

「家庭の事情」は納得してもらいやすい理由のひとつ

家庭の事情と一言でいってもさまざまな理由があります。

ただ、家庭の事情は比較的、納得してもらいやすい理由のひとつです。

働き方や評価、報酬に対しての不満が理由で退職する場合は比較的ネガティブな理由になりがちです。

転職する際にも退職理由は重要なポイントとなります。

退職理由を聞かれた際にできるだけネガティブな理由は避けたいものです。

この場合、家庭の事情は企業にも納得してもらいやすい理由のひとつです。

本当に「家庭の事情」の場合

退職の理由として家庭の事情を持ち出すことに躊躇する人もいるでしょう。

家庭の事情を建前として使う人もいますが、本当に家庭の事情だった場合にはどのように伝えるのがベストでしょうか。

状況を正確に伝える

家庭の事情にもさまざまな理由があります。

本当に家族の問題などで働くことが難しくなった場合には状況を正確に伝えることも大切です。

家庭の事情であれば企業側も納得しやすく、場合によっては時短勤務などを提案してもらえることもあるでしょう。

正直に伝えることをデメリットと捉える必要はありません。

転職活動においては、逆に正確に伝えずに採用された場合、勤務のことで企業に迷惑をかける可能性もあります。

最初から事情を理解した上で採用してもらったほうが働きやすい環境を得ることができるでしょう。

詮索されたくない場合は濁してもOK

ただし、家庭の事情はプライバシーにも関わる問題です。

あまり詳細を話したくないということもあるでしょう。

その場合には濁しても問題はありません。

転職活動においては、退職理由は濁したとしても仕事に対する意欲や自分のスキルはしっかりアピールしましょう。

どこまで伝えるかは自分で判断を

家庭の事情を正確に伝えたほうが企業の理解を得られやすいということはもちろんあります。

ただ、どこまで具体的に伝えるかは自分の判断で問題ありません。

あまりに詳細に話しすぎると、いざ仕事を開始したときに働きにくくなるようであれば詳細を伝える必要はありません。

親の介護や看病の場合でも病名を明かす必要はありません。

転職活動では、介護や看病がどの程度仕事に影響を与えるのかをしっかりと伝えましょう。

意欲があるといっても多少なりとも家庭の事情で休みを取ったり時短を要請したりすることもあるでしょう。

その点をしっかりと理解してもらえるようなアピールの仕方をすることが大切です。

建前で「家庭の事情」を使う場合

人によっては建前で家庭の事情というワードを使うケースもあるでしょう。

この場合は注意しておきたい点が2点あります。

最初から詳細は濁しておく

建前で家庭の事情を使う場合には、詳細については最初の段階から濁しておくことがポイントです。

詳細を濁しながら最終的には企業が納得するような方向に持っていくことが大切になります。

家庭の事情は自分ではコントロールができない問題です。

そのため企業側も詳細がわからないとしても、仕方ないと思わざるを得ない理由でもあります。

建前の場合は具体的なことは言わないことが重要です。

嘘をつくとばれるリスクが高まるので注意

さらには嘘をつくことが後々のトラブルにつながることを理解しておきましょう。

退職したいからといって嘘や作り話をしてもすぐにバレてしまうことがほとんどです。

それが特に大きな嘘であった場合はなおさらです。

退職したということよりも嘘をついたということのほうがクローズアップされます。

一度ついたマイナスイメージは取り除くことが難しくなります。

悪評は出回るスピードが早いため業界内で噂になるリスクも考えて行動しましょう。

転職面接で退職理由を聞かれたら

転職活動では面接で退職理由を聞かれることも多くあります。

家庭の事情で退職した場合には、正直に伝えても問題ありません。

ただし、ネガティブな言い方をしてしまうと採用に影響を与える可能性もあります。

結婚、妊娠などのポジティブな理由であれば正直に伝えて問題ありません。

介護、看病、離婚などのネガティブに捉えられがちな理由の場合はよく考えてから伝える必要があります。

企業とのミスマッチを避けるためにも事実は事実として正直に伝えましょう。

伝える際にはまず企業が求めているスキルや実績を自分がどのくらい持っているのかから話します。

そこから仕事に対する意欲を伝え、その上で家庭の事情のための転職であることを伝えるとベストです。

企業が気にするポイント

家庭の事情と話すと企業側が採用を躊躇するのではないかと不安になることもあるでしょう。

多かれ少なかれ誰しもが家庭での役割を担っています。

家庭の事情と伝えたときに企業が気にするポイントについてまとめておきます。

働き方にどの程度制約があるのか

まず企業が気にするポイントは家庭の事情が働き方にどの程度の制約を与えるのかという点です。

育児や介護、看病などでいえば勤務可能時間や休暇が必要になるのかを気にするでしょう。

また突発的な休みが必要になる可能性がどの程度あるかも気にするポイントです。

もしも時短勤務を希望している場合には、いかに効率的に業務を進めて行くかを実績をもとに伝えましょう。

介護や育児については外部サポートをどの程度まで利用できるのかを伝えることも大切です。

緊急事態の場合のフォロー体制がある場合にはそれもしっかり説明しておくことが必要となります。

ただし、できないこともできるように伝えてしまうことはリスクとなります。

事実は事実として伝えましょう。

ミスマッチが起きた状態で採用されてしまうと、いざ働きはじめたときにトラブルになりかねません。

この点には注意が必要です。

同じ理由ですぐ辞めてしまわないか

もうひとつのポイントとしては、同じ理由ですぐに辞めてしまうのではないかという点です。

企業としてはできるだけ長く腰を据えて働いてくれる人材を求めています。

家庭の事情を理由に退職した場合には、どうしてもこうした不安を企業に与えてしまいます。

この点はよく理解しておきましょう。

その上で、家庭の事情が退職時よりも改善していることを伝えましょう。

育児であれば保育園の利用が可能になったというのもひとつの改善ポイントです。

介護では介護サービス、家族の協力が得られるなども改善点としてあげられます。

前職を退職したときよりもフォロー体制がしっかり構築できているということを伝えられるとベストです。

その上で働く意欲を示すことができれば企業側の不安を払拭することができるでしょう。

面接官の不安を払拭する回答のポイント

企業が気にするポイントについて解説しました。

さらに具体的にその不安を払拭するための回答ポイントについて解説します。

実際に面接を受ける際の参考にしてみてください。

現在は問題ないことを伝える

退職理由を質問されて、家庭の事情と回答すると企業側は仕事に支障がないのかという点を不安に感じるでしょう。

この場合、前職の退職理由は家庭の事情であったが現在は問題ないことを伝えましょう。

サポートを受けることができるようになった。

家族の状況が前進した。

このように状況が改善に向かってきたため転職を希望するようになったことを伝えましょう。

仕事への前向きな姿勢を伝える

家庭の事情があったとしても転職を希望している以上、仕事に対しての意欲があることをアピールしましょう。

仕事の効率化をはかってきた実績があるのであれば強いアピールポイントになります。

転職してから自分がどのように働きたいのか、応募先企業で何をしたいのかなどを伝えましょう。

家庭に事情を抱えていても仕事に対する前向きな姿勢が伝われば企業側も不安を払拭できます。

業務に特別な支障をきたさない限りは企業は本人の能力や経験を重視します。

大切なことは応募先の企業にどのように貢献できるのかという点をアピールすることです。

条件があるなら必ず伝える

家庭の事情があるなかでも働きたいという希望がある場合には労働条件に制限が出てくるケースもあります。

企業側が提示している条件で自分の勤務条件が満たされている場合はあえて伝える必要はありません。

ただし、提示された勤務条件に不安がある場合にはしっかりと条件についても話をする必要があります。

勤務について必要な条件がある場合は必ず伝えましょう。

採用されてから実は条件があると伝えるとトラブルになる可能性が高くなります。

面接の段階でしっかりと自分の条件を伝えた上での採用であれば企業側も理解しています。

そのため採用後にトラブルとなることはありません。

躊躇せずに伝えることは誠実な対応であると考えましょう。

面接で使える例文

転職の面接で実際にどのように回答すればよいのでしょうか。

具体的な例文を提示します。

参考にしながら自分の言葉に置き換えてまとめてみましょう。

介護が必要なった場合

家族の介護が必要になって前職を退職した場合の回答例です。

母が体調不良で倒れて介護が必要となりました。

父も高齢のため私が中心となって介護をしている状態でした。

仕事をしながら介護を続けておりましたが、悩んだ結果退職して介護に専念することにしました。

現在、母は介護施設でお世話になっております。

そのため業務に支障をきたすことはありません。

今後は施設のサポートを受けながら仕事に集中して御社に貢献したいと考えております。

結婚を機に退職した場合

結婚したことで転職が必要になった場合の回答例です。

結婚を機に前職を退職しました。

結婚後も仕事を続けたいという希望はありましたがどうしても転居しなくてはならなかったため退職しました。

引越し後、家庭も落ち着いたこともあり、前職で取得した経験やスキルを生かして働きたいと思っておりました。

御社では女性の活躍を応援してくださるため、女性でも仕事に邁進できる環境だと感じ志望しました。

不安なときは転職エージェントに頼ろう

女性はライフイベントによって働くことを諦めなければならないことが多くあります。

家庭の事情でどうしても退職しなくてはならない場合、まずは円満に退社できるように話を進めることが大切です。

前職の退職でトラブルを起こしてしまうと転職活動にも影響がおよぶ可能性はゼロではありません。

とくに同業種への転職を希望している場合は注意が必要です。

女性の場合、30代での転職はとくに活動が厳しくなってきます。

家庭の事情で退職した場合は転職エージェントの力を借りることがおすすめです。

面接対策だけでなくさまざまな相談に乗ってもらうことも可能です。

まとめ

家庭の事情で退職した場合の転職活動について解説してきました。

家庭の事情というとネガティブなイメージをもたれやすい理由のひとつです。

ただ、伝え方ひとつでポジティブに変換することも可能です。

家庭の事情の内容にもよりますが、企業が抱えそうな不安ポイントをしっかりと把握することからはじめましょう。

業務に支障をきたさないという点で、企業の不安が払拭できれば転職活動もスムーズに進みます。

1人で活動することが難しい場合には転職エージェントの利用がおすすめです。

転職に関するあらゆる悩みに対して相談に乗ってもらうことができるためモチベーションの維持にもつながるでしょう。