就職面接というと面接官と応募者が実際に会って話をする対面方式を思い浮かべることが多いでしょう。
しかし、離れた場所から電話で面接がおこなわれる場合もあります。
新卒面接より特に中途採用のための転職面接で多くおこなわれますが、いまいちイメージできない方が多いかもしれません。
そこでこの記事では、電話面接がどのようなもので、採用担当者にうまくアピールするためにはなにに注意するべきかを解説します。
あなたの転職活動に役立ててください。
Contents
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電話面接とは
電話面接は応募者が面接会場に直接出向いて対面で面接をおこなうのではなく、離れた場所から遠隔でおこなうものです。
対面面接とは異なり声だけのやり取りですので、表情やしぐさでのコミュニケーションができません。
そのため応募者からのアピールが制限され、面接官の顔色をうかがうこともできず不安を覚える場合もあります。
電話面接には特有の注意点やポイントがありますので、理解してしっかり対策をおこなわなければなりません。
企業が電話面接をする理由
電話面接は相手の表情が読み取れない分対面より不利に感じられますが、企業が実施するのはメリットがあるからです。
例えば次のような利点が考えられるでしょう。
- 遠方者にも応募してもらいやすい
- 面接可能な時間が広がる
- 面接場所の確保が簡単
- 面接日程の調節が簡単
- 面接にかかる移動コストを削減できる
企業は少しでも多くの人材からの応募を求めています。
しかし、応募者の住まいと面接場所が離れている場合などは、それだけで応募をためらわれ優秀な人材を逃すかもしれません。
また遠方者が意欲高く応募してくれたとしても、面接の移動費を負担する会社では面接するだけでコストが発生します。
さらに、電話であれば会議室など場所の確保も必要なく、面接をおこなう時間さえ体が空けば実施できるため日時調整も格段に簡単です。
企業・応募者双方の負担軽減が見込めますね。
応募者の幅を広げ、時間や費用の削減が期待できることから、電話面接を実施する企業が現れていると考えられるでしょう。
電話面接に臨むための準備
電話面接に挑む際には、対面面接とは異なる気持ちや準備で臨まなければなりません。
対面よりもコミュニケーションが難しいリスクもありますが、電話面接だからこそできることもあるのです。
電話面接ならではの準備物を説明しますので、対策に役立ててください。
企業の資料などを手元に置いてもOK
電話面接では相手から見えないため、資料などを見ながら面接に臨めます。
例えば応募した企業の資料や募集要項などを手元に置いておくと良いでしょう。
対面以上にスムーズな会話のやり取りが求められますので、黙って考え込む時間がないように資料を用意してください。
履歴書なども手元に用意しておこう
履歴書や職務経歴書は事前に企業に提出していますが、必ずコピーを取って手元に残し面接時にも面接時に用意しましょう。
自己PRや志望動機など、履歴書に書いた内容を面接で改めて聞かれるケースがほとんどです。
書類と面接時の回答に相違がないか、自分が何を書いたか確認できるように履歴書を持っていてください。
ただし履歴書を確認しながら答える場合、書いた内容をそのまま読まないように注意が必要です。
採用担当者の手元にも履歴書がありますので、まったく同じことを答えると「読んでいるな」とバレてしまいます。
手元の履歴書はあくまで確認材料とし、面接時にはご自分の言葉で話してくださいね。
言われたことをメモする筆記用具も重要
面接時にはメモとペンも用意してください。
これは電話でも対面でも使えますが、電話面接の場合より重要な役割を果たします。
表情が見えない電話面接では、言葉に詰まったり考え込む時間があると「話を聞いていないのかな」と誤解される恐れがあります。
面接官の発言もメモを取って「先ほど○○とおっしゃっていたことですが…」などと話せると好印象ですよ。
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電話面接は受ける場所も重要!
電話面接は受ける場所に制限がないことも大きな特徴です。
自宅でも出先でも受けられ便利ではありますが、どこでも良いというわけではありません。
場所選びの際は次のようなポイントに注意してください。
声が聞き取りやすい静かな場所を選ぼう
電話面接は面接官と場所を共有せず声だけでやり取りします。
周囲に物音や他の人の話し声があると、面接官に余計な雑音が聞こえてしまったり、反対に面接官の質問も聞こえにくくなるでしょう。
どれほど素晴らしいアピールをしても、面接官の耳に届かなければ意味がありません。
また騒がしい環境で電話面接に臨んでいると、真剣さにかける印象を与えてしまいます。
スムーズなコミュニケーションのためにも、マナー面でも、静かで落ち着いて話ができる環境で面接を受けることが大切です。
電波状況がいい場所を選ぼう
電波状況の良し悪しは電話面接の落とし穴です。
静かで落ち着いた環境を準備できたとしても、電波状況が悪く声が聞き取りにくかったり途切れてしまっては意味がありません。
会話がスムーズに運ばないことは採用担当者の心象がよくありませんし、応募者自身の焦りにもつながり十分にアピールできないでしょう。
円滑なコミュニケーションのために、場所を選ぶ際は必ず電波状況も確認してください。
電話面接で意識すべきこと
面接官からの質問に答えるという点は電話面接も対面面接も同じですが、まったく同じやり方では良い対策とはいえません。
電話面接ならではの注意点を解説しますので、しっかり意識して面接を受けてください。
対面よりはっきり話すことを心がけて
対面面接であれば、面接会場内で自分の声がどの程度響くのかがわかりますし、採用担当者のリアクションから聞こえているかどうかも読み取れます。
採用担当者側も、多少聞き取りにくくても応募者の表情や口元の動きで読み取れることもあるでしょう。
しかし、電話面接ではそのような声以外の情報が全くありません。
自分の言葉を確実に伝えるためには、意識的に聞こえやすく話す必要があります。
具体的にはゆっくり・はっきり・大きめの声で話しましょう。
そのように意識して話せば言葉が伝わりやすくなるだけでなく、はきはきした意欲的な印象も与えられる利点もあります。
顔が見えなくても笑顔で話そう
対面面接の場合、多くの応募者が表情にも気を配ります。
一方で顔が見えない電話面接では表情は関係ないかというと、そうではありません。
表情は声に現れます。暗い表情では声も暗くなりますし、表情が明るければ声にも反映されます。
暗くくぐもった声よりも、明るく前向きな印象の声の方が好印象であることは容易に想像できるでしょう。
電話面接であっても目の前に採用担当者がいると思って、しっかり目を開け口角をあげた笑顔で会話してください。
立ちながら話すのもおすすめ
面接の際には姿勢も重要です。
見た目の問題だけでなく、姿勢が悪く背中が曲がってしまうと、声が低く・暗くなってしまいます。
対面面接であれば前にいる採用担当者を見て話すためそれほど姿勢は悪くなりませんが、電話面接ではうっかり下を向いてしまいがちです。
そこで、電話の際に座らず立って話をするのもおすすめです。
立つことで自然と背筋が伸びてお腹にも力が入りますので、座った状態より声が出やすく、明るい声になります。
背中が曲がりがちな方や普段から声が通りにくい方は、特にこの方法を試してみると良いでしょう。
うまく乗り切るためのコツ
いくら万全の対策をしても、顔の見えない相手との電話面接に不安を感じる方は多くいらっしゃいます。
電話面接を乗り切るコツを紹介しますので、コツを押さえて自分の魅力をしっかり伝え、採用を勝ち取りましょう。
集中できる場所で受けよう
電話面接は集中力を途切れさせないことも重要です。
相手が目の前にいない分余計に、フッと意識がそれてしまうと相手の言葉を聞き逃してしまいます。
たとえ静かで電波状況が良くても、気になることが多い落ち着かない場所は良い環境とはいえません。
電話面接を受ける際は、集中できる場所を選んでください。
ただ、そうはいっても自宅の部屋しか場所がない…と困る方も多いことでしょう。
その場合は誘惑となる物を視界から外すなど、部屋の中を片付けることをおすすめします。
集中できる環境を、自分で作り出してくださいね。
自信を持って臨もう
対面面接でもいえることですが、面接には自信を持って臨みましょう。
企業が自信ある魅力的な人材を求めていることもその理由ではありますが、電話面接の場合、自信のなさは声の大きさにも反映されます。
「自信がない」と思いながら面接に臨むと、ネガティブな内容を小さな声で発言することになり、非常に印象が悪いです。
自信を持って堂々と面接に挑み、前向きで明るい印象を与えましょう。
電話面接の練習方法
面接対策として、ロールプレイングなどの練習をおこなう方はたくさんいらっしゃいます。
では、電話面接ではどのような練習をおこなえば良いのでしょうか。
おすすめの練習方法を紹介しますので、ぜひ実践して面接に備えてください。
自分の声を録音してみよう
電話面接は声がすべてです。
そのため、ゆっくり・はっきり・大きめの声で話しましょうと解説してきました。
しかしその通りに実践していると思っても、自分で考えている声と周りに聞こえている声には大きな差がある場合があります。
そこで、自分の声を録音して聞く方法がおすすめです。録音したものなら、自分の声を客観的に聞くことができるからです。
録音した声を聞いてみると、「思っていたより声が低い」「意識したよりも早口」などに気付けるかもしれません。
繰り返すことで自分の声と与える印象を知れますので、電話面接に限らずその後のビジネスシーンでも役立てられますよ。
周囲の人に面接官役をしてもらおう
電話面接でもロールプレイングはとても効果的です。
家族や友人など周囲の人に面接官役を依頼し、電話で練習してみましょう。
この時注意して聞いてもらうのは、質問に対する回答内容以上に「どのように聞こえるか」です。
声の大きさや印象、話すスピードなどを重点的にチェックしてもらいアドバイスを受けてください。
繰り返しおこなえば、印象の良い話し方を見つけられるはずです。
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電話面接で使えるフレーズ
面接や採用試験の際には言葉遣いやマナーも非常に重視されます。
正しい敬語を使えることはもちろんですが、対面面接の際は入退室時に一礼するなど、ビジネスマンとしての素質も見られていると考えましょう。
特に電話面接の場合、通常の対面面接では起こりにくい場面に出くわし、困ってしまう事があります。
電話面接特有の問題とその際に使えるフレーズを紹介しますので、参考にして失礼のない応対をしてくださいね。
面接官を呼び出してもらう時
対面面接なら面接会場に出向いて受付をすれば、後は会社の指示に従って動けば良いのでそれほど困ることはないかもしれません。
電話面接で応募者側から連絡する場合、面接官を呼び出してもらう必要があります。
その際には次のようなフレーズで呼び出しを依頼するとスムーズです。
- 名乗る:「お世話になっております。私○○と申します」
- 用件を伝える:「○時から電話面接のお約束をいただいております」
- 担当者を呼んでもらう:「恐れ入りますが採用担当の△△様にお取次ぎいただけますでしょうか」
このように、「誰が・どのような用件で・誰宛てに電話をしてきたのか」を簡潔に伝えましょう。
担当者を呼んでもらう時には「お繋ぎいただけますでしょうか」「お取次ぎをお願いいたします」なども好印象ですよ。
電話相手の声が聞きづらい時
電話でのやり取りにつきものな問題は、相手の声が聞こえにくいことでしょう。
質問内容が聞き取りにくく、もう一度言って欲しい時にはそのようにお願いしなければなりませんね。
その際には次のような言い方で面接官にお願いしましょう。
- 電話が少し遠いようです。もう一度お願いできますでしょうか。
- 恐れ入りますが電話が途切れてしまいました。もう一度お願いできますでしょうか。
「聞こえません」のような言い方はせず、例のように「電話が遠い」「途切れてしまった」などの言い回しで伝えると角が立たなくて良いですよ。
ピンチの時も慌てずに対応しよう
万全に準備して電話面接に臨んでも、質問が難しくて言葉に詰まったり思いがけず電話が遠いなど、ピンチに見舞われることもあります。
そのような場合でも、とにかく慌てず落ち着いて対応することが大切です。
「どうしよう」と頭の中で考えを巡らせていると、その分だけ無言の時間が増えてしまいます。
無言の時間があると、面接官側にも「電話が途切れているのかな?」と不安な気持ちが芽生える可能性もあるのです。
それならばいっそのこと、「申し訳ありません。緊張してしまっております。深呼吸させてください。」と正直に話すほうが良いでしょう。
電話面接を続けられないほど電波状況が悪いのであれば、確認不足を詫び、場所を改めさせてもらえるかどうか確認するのも手ですよ。
状況を冷静に判断できることや、相手に失礼の無い対応ができることもビジネスパーソンとして必要なスキルです。
ハプニングは悪いことばかりではないと考えるようにし、冷静に対応してください。
まとめ
電話面接の利点やポイントについて解説してきました。
離れた場所から面接が可能な電話面接は、スケジュール面や移動コスト、面接可能な時間が増えることから企業にも応募者にもメリットがあります。
しかし、表情が見えない声だけのコミュニケーションとなるため、注意も必要です。
電話だからとだらしない恰好や姿勢で面接に臨まず、電波状況が良い落ち着いた場所で、背筋を伸ばし笑顔で面接を受けてください。
あなたの魅力が十分に面接官に伝えられるよう、録音やロールプレイングで聞こえ方も確認してくださいね。
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