転職活動を進めていく中でしっかり行うべきことの1つが退職の手続きです。
退職の仕方を間違えると人間関係が拗れて転職先にも影響を及ぼす可能性があります。
立つ鳥跡を濁さずという諺があるように、気持ちよく現職を立ち去りたいものです。
円満退職を実現するためにも退職願と退職届の役割を今回は解説しましょう。
書類提出のタイミングや実際の書き方・例文・疑問なども併せて紹介します。
Contents
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退職願と退職届の役割は?
退職願と退職届の役割は文字通り「会社を辞める」という意思表示です。
両者の違いは後述するとして、ここではもう1つ「辞表」との違いを説明します。
「退職願」と「退職届」は一般的な会社員が退職に際して提出する書類です。
それに対して「辞表」は公務員や会社の役員などの重役が退職する際に提出するものになります。
一見似ているようで実はそれぞれにきちんと意味と役割の違いがあるのです。
「辞表」は会社員でいうところの「退職願」に相当します。
まずは三者三様の違いをきちんと押さえるところかあら始めましょう。
退職願と退職届の違い
退職願と退職届は転職が当たり前になった今の時代だとその違いがなかなか認識されません。
しかし、本来この2つには大きな意味の違いがあるので、それぞれ見ていきましょう。
「退職願」
退職理由が自己都合によるものである場合に提出するのが「退職願」という書類です。
そのため20代女性の転職で提出するのは大方こちらの書類ではないでしょうか。
あくまでも退職を「願う」ものなので提出したから簡単に受理されるものではないのです。
そのため会社が承諾する前であれば説得などにより撤回することができます。
逆にいえば、会社都合による解雇などの場合退職願を提出してはなりません。
何故ならば社会保険の任意継続や失業保険の条件などに関わってくるからです。
悪質な企業だと会社都合の解雇なのに自己退職扱いにしようと退職願の提出を仕向けさせます。
そうならないよう事前のシミュレーションを行って回避してください。
「退職届」
退職届は会社側の都合など関係なく会社員が一方的に労働契約解除の意思を表示する書類です。
大体の場合は会社側が退職願を拒否したために円満退職が不可能だった場合に提出されます。
したがってこちらは1度提出すると撤回することは不可能です。
もし会社側とトラブルに発展した場合はきちんと就業規則を確認してください。
きちんと規則に則っていれば理由がどうあれ会社側はこれを受理しなければなりません。
退職の権利は民法で保証されていますから受け取りを拒否することは認められないのです。
近年ではこうしたトラブルを回避するために退職代行というサービスもあります。
退職願と退職届の提出タイミングは?
このように退職願と退職届は根本的な意味も役割も違うものです。
それぞれどのタイミングで提出すればいいのでしょうか?
「退職願」
まず退職願も退職届も希望する退職日の14日以上前に出せば大丈夫です。
しかし、実際は仕事の引き継ぎや後任者の件など細かい手続きがあります。
またお世話になった同僚や上司など様々な方々への挨拶などもあるでしょう。
そうした退職までの流れを踏まえると退職日の1ヶ月以上前には提出するのが一般的です。
また退職願は必ずしも出す必要はなく、あくまでも退職の意思を伝えることに意味があります。
提出する際にはきちんと段取りを踏んで会社全体が受け入れてからの方がいいでしょう。
「退職届」
退職届を提出するタイミングは退職願と同様に退職日の14日以上前までが望ましいでしょう。
できれば1ヶ月以上前に出しておくと円満退職が可能ではないでしょうか。
しかし、退職届は退職願と違い提出し受理された段階で撤回はできません。
また企業側としても提出された場合法律により受理しないわけにはいかないのです。
だからこそ多くの場合は最初に退職理由を伝えて受理されない時の最終手段になります。
また、こちらも退職届同様必ずしも提出しなければならないという義務はありません。
あくまでも書面という明確な形で退職の意思を伝える手段だと思ってください。
・あくまでも「退職の意思」を伝えることが大事なので提出の義務はない
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退職願と退職届を提出する前にやることは?
それでは退職願と退職届を提出する前に行うべきことは何でしょうか?
ここでは具体的な退職までの段取りを解説します。
会社の「就業規則」を確認しよう
まず何の前振りもなくいきなり退職願・退職届を出すのはやめましょう。
会社にとって退職・辞職の話はプライベートにも仕事にも大きな影響を及ぼします。
少なからず動揺させることになるため、提出前に就業規則を確認してください。
大体の場合は就業規則に退職の手順やタイミングが具体的に記載されています。
退職の意思を示す前にきちんとルールに則っているかを確認しましょう。
ここをしっかり確認しておくことで上司との話し合いもスムーズに進みます。
直属の上司に相談しよう
就業規則を確認したら、いきなり提出するのではなく直属の上司に相談してください。
相談・報告の際にもいきなり「辞めます」と切り出すのではなく順序を守りましょう。
- 退職理由と希望する退職日を伝える
- 残りの有給休暇日数や仕事の引き継ぎを話す
- 社内外の人間関係の清算について話
そしてこの時に最も大事なことは毅然とした態度で退職の意思表示をすることです。
転職先が決まっている場合会社は給与などの待遇面で更なる好条件を出すかもしれません。
引き止めに合う可能性が高いので、はっきりと「辞めます」と伝えてください。
また、会社に不満があってではなく次のキャリアに向かうためのステップだと説明ましょう。
前向きな理由での退職だという態度を取ることで、受け入れてくれるようになります。
退職願の書き方
それでは退職願の書き方のポイントと実際の例を紹介しましょう。
「退職願」を書く時のポイント
まず退職届を書く時には以下のポイントを守りましょう。
- 書き出しには「私儀(読み:わたくしぎ)と書く
- 自己都合退職なので「一身上の都合」と書く
- 退職日は自己都合による退職希望日を記載する
- 退職願では文末を「お願い申し上げます」で締めくくる
- 退職願を提出する日付を記入する
- 宛名より下の位置に所属と名前を記入し、その下に捺印する
- 宛名に最高執行責任者の役職と名前を書く
この順番・ルールをしっかり守って書き、しかるべきタイミングで提出しましょう。
ポイントは「願い」なので願いを申し出る形で締めくくることが大事です。
例
それでは実際の退職願の例を見てみましょう。
「退職願
私儀
このたび、一身上の都合により、勝手ながら
二〇××年×月×日をもって退職いたしたく、ここにお願い申し上げます。
二〇××年△月△日
営業部 鈴木愛子
株式会社〇〇〇〇 代表取締役社長 ××△△殿」
横書きなので少しわかりにくいですが、ポイントは自分の名前を宛名の下に書くことです。
退職届の書き方
それでは次に退職届の書き方のポイントと実際の例を紹介しましょう。
「退職届」を書く時のポイント
退職届を書く時のポイントですが、基本的な文章のフォーマットは退職願と同じです。
その上で退職願との違いを挙げるならば、以下の2点です。
- 文末を「お願い申し上げます」ではなく「退職いたします」と締めくくる
- 自己都合ではなく会社都合の退職だった場合は理由を具体的に書く
この2点をしっかり遵守して丁寧な字で書いてください。
例
それでは実際の退職願の例を見てみましょう。まずは自己都合の場合がこちらです。
「退職願
私儀
このたび、一身上の都合により、勝手ながら
二〇××年×月×日をもって退職いたしします。
二〇××年△月△日
営業部 鈴木愛子
株式会社〇〇〇〇 代表取締役社長 ××△△殿」
次に会社都合による退職届の例を見てみましょう。
「退職願
私儀
このたび、業績不振に伴う○○事業所閉鎖のため
二〇××年×月×日をもって退職いたしたします。
二〇××年△月△日
営業部 鈴木愛子
株式会社〇〇〇〇 代表取締役社長 ××△△殿」
退職願と退職届を書く時に用意するものと選び方
それでは退職願と退職届を書く時に用意するものとその選び方を紹介します。
「用紙」
容姿は市販の白の便箋を購入するかPCからテンプレートをダウンロードして印刷しましょう。
用紙サイズは特に指定がなければA4が一般的です。
罫線に関しては横ではなく縦書きのものを選ぶようにしてください。
書き終えたら上部が上に重なるように織り込み封入します。
この順序をしっかりと守って提出しましょう。
「封筒」
封筒の選び方に関しては以下の基準を満たしているものを選んでください。
- 封筒の色は「白」(茶封筒だと重要度が高くないと思われてしまい失礼)
- 郵便番号の枠がなく、かつ中身が見えないものを選ぶ
- 封筒のサイズは用紙のサイズに合うものを選ぶ
特に大切なのが封筒の色と形であり、白色で中身の見えないものがポイントです。
また、会社の業務用で使うものではなく市販の封筒を選びましょう。
書き方は表面の真ん中に大きく「退職願(退職届)」と書きます。
裏面は封じる場合に「〆」と記し、左下に所属と本名を書いてください。
「ペン」
ペンは黒インクの万年筆か黒のボールペンを選んで書きましょう。
近年ではフリクション型の消えるペンがありますが、こちらは不可です。
また、誤字脱字があった場合に修正テープ・修正液を用いるのも辞めましょう。
退職願・退職届は正式なビジネスの文書です。
しっかり丁寧に書き終えるまで何度か下書きしてから清書してください。
書く際には黒インクがはみ出しだり汚れたりしないように細心の注意を払います。
・封筒は無地かつ中身が見えない市販の白封筒
・ペンは黒いインクの万年筆か黒のボールペン
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退職願と退職届に関する疑問
ここまで説明してきたこと以外で、退職願と退職届に関する疑問を解説します。
まず1つ目が「退職願(退職届)を会社になかなか受理してもらえない」というケースです。
この場合退職願は仕方ないとしても、退職届に関しては会社として拒絶することはできません。
労働基準法により会社は退職者の自由を奪う権利はないと定義されています。
今では万が一に備え退職代行サービスなどがありますが、手数料がかかるのでご注意ください。
2つ目のケースがドラマにありがちな退職願をいきなり提出してもいいのかどうかです。
これは上記していますが、人間関係をはじめとするトラブルの元になるので辞めましょう。
退職願をいきなり出すのは展開を盛り上げるための演出であり、要はフィクションです。
円満に退社したい場合は段取りをきちんと踏まえて正しい手順を踏んでください。
この順番を間違えてしまうと転職先の人間関係にまで支障が出る可能性があります。
会社は決して退職者1人の都合で動いているわけではないという自覚を持って行動しましょう。
転職の悩みは転職エージェントに相談しよう
退職願・退職届を出すのにも実に多くの手順や決まり事があることが窺えます。
こうした退職時のこと以外にも転職には様々な悩みやトラブルがつきものです。
転職のことでお悩みの方は転職エージェントに相談してみてください。
退職願・退職届はもちろんのこと転職全般に絡むことを親身になってアドバイスしてくれます。
円満退職を実現するための段取りも教えてくれますし、また仲介役にもなってくれるのです。
知識や知恵も沢山ありますので、少しでも疑問に思うところがあれば全て相談しましょう。
1人で悩むよりもプロの見地から冷静かつ実践的なアドバイスをもらえばトラブルを回避できます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は退職願と退職届の役割を意味の違いから段取りまで細かく解説してまいりました。
20代の女性の場合転職も退職も何かと初めての経験が多く戸惑いも大きいのではないでしょうか。
特に退職を申し出るのはとても勇気が必要とされますし、人間関係も含めて様々な段取りを踏まえないといけません。
だからこそ1つ1つの手順をしっかり踏まえて後腐れがないように清々しい気持ちで退職・転職したいものです。
引き止めに合うかもしれませんしトラブルもあるかもしれませんが、焦らず冷静に対処してください。
本稿がそんな退職しようとお考えの若い女性の参考になれば幸いです。
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是非参考にしてみてください!
転職サイトの選び方
転職サイトは以下のような進め方で選ぶと最適なものを選ぶことができます。
- 「エージェント型」と「サイト(求人広告)型」を使い分ける
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これらをより詳しく見ていきましょう。
「エージェント型」と「サイト(求人広告)型」を使い分ける
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