契約社員は正社員と雇用形態が異なるので、退職届を書く際に配慮すべきことがあります。
書き方や出すタイミングを間違うことで、自分が不利益を被ることがあるので注意が必要です。
そこで今回は、契約社員の退職届の書き方と注意点を、具体例を交えて解説します。
Contents
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契約社員の退職届の書き方と注意点
契約社員であっても正社員と同様に、退職届の提出をはじめとする諸手続きを行う必要があります。
正社員と違って契約社員が注意しておきたいのは、退職するタイミングです。
いつでも退職できるわけはないことを理解しておきましょう。
ベストなタイミングとしては、契約が満了したときです。
また、退職届を書く際には、まず最初に勤務先の就業規則を調べておきましょう。
退職届の前に退職願を提出することを義務付けていたり、退職希望日の●ヶ月前と規定している会社もあるからです。
退職届も企業によっては所定の用紙が用意されていることがあり、それ以外のものでは受け付けないケースもあります。
勤務先の規約をしっかりと調べ、書き方とルールを守って用意しましょう。
契約社員の退職タイミングのパターン
契約社員は企業との間で、雇用期間を決めたうえで雇用契約書を取り交わします。
そのため、契約社員の退職のタイミングは4つのパターンに分けられるのが特徴です。
具体的には下記のようになります。
- 契約期間が満了し、労働者が自らの意思で契約更新しない時
- 契約期間中にも関わらず、労働者が自らの意思で退職する時
- 契約期間が満了し、企業から契約更新しない旨を告げられた時
- 契約期間中にも関わらず、企業の都合で退職を余儀なくされる時
上記のうち上の2つが自らの意思による「自己都合」、下の2つが自らの意思に反する「会社都合」です。
契約社員が契約期間中に退職するのは基本的にNG
契約社員は企業と労働契約書を取り交わす際、雇用期間も明示された書類に署名・捺印するものです。
そのため、契約期間満了を待たずに退職するのは、基本的にはNGであり、契約違反と見なされます。
ここでは、契約期間中に退職するにあたっての注意点を紹介します。
1年未満の人は「やむを得ない理由」が必要
契約社員が雇用期間満了を待たずに、勤続1年未満で退職する場合には、誰もが認めるやむを得ない理由が不可欠です。
しかしそうした理由がない場合には、契約違反になるので、企業に訴えられると負けるため、双方の合意が前提条件となります。
具体的なやむを得ない理由については、後述します。
契約途中の退職はトラブルになる可能性も
企業との雇用契約期間が1年を超え、1年以上の勤務実績を積んだ場合には、契約満了を待たずに退職することが認められています。
しかし、双方合意の下で雇用契約を結んだからには、満了を待たずに退職するのは明らかな契約違反です。
退職を強行した結果、企業から損害賠償請求されたケースもゼロではありません。
退職手続きを遅らせるなど、企業が態度を硬化させてトラブルになる可能性が高いので、円満退社を目指すことをおすすめします。
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契約満了で退職する時に意識しておくべきこと
契約社員は雇用期間の満了が近づくと、企業から更新の有無について話があるものです。
その際、自分の意思と企業の希望が異なるケースも珍しくありません。
ここでは、契約満了で退職する際に意識したいことを2つ紹介します。
契約満了前に退職したいことを伝えよう
契約社員として契約更新を何度かくり返している場合、企業が「そのまま継続更新してくれる」と思い込むケースが少なくありません。
企業の事業計画は人員も含めて立案されるので、ギリギリで更新しないことを伝えると迷惑がかかる可能性があります。
もし次の契約更新はしないと決めているなら、企業から打診される前に退職の意向を伝えましょう。
一般的には契約満了日の1ヶ月前には伝えておくのが理想といわれています。
ただし会社の就業規定に退職を申し出る期限が定められている場合は、こちらを優先しましょう。
採用や引き継ぎに時間をかけられるよう配慮するのも、社会人としてのマナーです。
退職の意向を伝える際には退職願を用意して、退職届の提出が必要かどうかを確かめておくといいでしょう。
更新を断られた時は
自分では契約更新をして働き続けたいと考えていても、企業に更新を断られることもあります。
その際、企業に退職届を提出するよう依頼されても、絶対に断りましょう。
退職届を提出することで自己都合と判断されると、転職活動に悪影響が及ぶ可能性があります。
退職の意思は面談で伝えるのが基本
契約社員が契約満了をもって退職したいと考えているなら、まず面談の機会を設けてもらい、その場で意思を伝えましょう。
その際、上司に口頭で退職の意思を伝えるのもよいですが、退職願を持参して渡すという方法もあります。
退職願とは、会社に対して退職の意思があることを伝えお伺いをたてるための文書です。
そうしたプロセスを経ることで、会社も欠員補充などの準備を進めやすくなるはずです。
円満退職をするためにもマナーに則り、誠意をもって退職の意思を伝えましょう。
転職活動をスムーズに進めるためには、プロのサポートを受けるのが一番です。転職エージェントに登録することをおすすめします。
契約社員の退職届が必要な人の条件
契約社員であっても、企業によっては退職届の提出を求められることが珍しくありません。
しかし基本的には退職の状況によって、退職届が必要な条件が変わると理解しておきましょう。
ここでは「自己都合」「会社都合」「契約満了」という、3つのパターンについて詳述します。
自己都合
雇用期間の途中に自己都合で退職したい場合は、退職届の提出が必要です。
しかし一般的な退職とは違い、「一身上の都合」という理由では、契約違反として受理されない可能性が高いです。
前述した誰でも納得ができる理由でない限り、トラブルに発展するリスクがあるので、上司に事前に相談するよう配慮しましょう。
会社都合
自分は契約更新をしたいのに、会社都合で契約満了になる場合には、退職届の提出は不要です。
退職届を提出することで自己都合退職と見なされると、失業保険の申請時に給付制限がかかるからです。
契約満了による退職は自己都合退職ではあるものの、「特定理由離職者」として扱われます。
特定理由離職者は給付制限がないため、失業保険を申請して7日の待機期間を超えると受給が可能です。
どうしても退職届を提出しなければならない時には、退職理由に「退職勧奨」や「人員調整」と書きましょう。
あくまでも退職するのが会社都合であることを明確にするのが大切です。
その後の失業給付に関わってくることなので、退職時に受け取る離職票にも同じ退職理由となっているかしっかり確認しましょう。
一方会社都合で退職している契約社員は、転職活動のときに不利益を被る可能性もあります。これは雇用期間の長短は関係ありません。
契約社員の場合、スキル不足や成績不振が理由で契約解除になる可能性は低いため、勤務態度が悪いと邪推されることが多いからです。
契約満了
契約期間満了で退職する際には、基本的に退職届の提出は不要です。ただし例外的に企業から求められることはあります。
現在の日本の法律では、契約社員の雇用期間は最大で5年となっており、それを超える場合は正社員に登用しなければなりません。
そのため、正社員登用の道がない場合には、契約満了となったタイミングで自動的に契約解除となります。
しかし就業規則にある退職申し出期限まで待っている間に、契約更新の面談が行われず、思惑がすれ違うリスクも出てくるでしょう。
自分は退職するつもりでも、相手が更新すると思い込んでいたことでトラブルに発展するケースもあるのです。
たとえトラブルにまでは発展しなかったとしても、上司には少なからず迷惑をかけてしまうでしょう。
契約満了を機に退職を考えている人は、以下を確認することをおすすめします。
- 契約更新に関する面談の有無
- 契約更新しない場合に退職届を提出する必要があるか否か
早めに確認して退職の意向を伝えることで、上司からの印象が悪くなるリスクを防ぎ、円満退職に繋がります。
退職届のテンプレートをチェック
企業の退職届を提出する際には、書式を守って準備するのがマナーです。
罫線の有無を問わず白い便箋またはコピー用紙で、A4版かB5版を使います。
封筒は郵便番号枠のない、無地の白いものを使用し、表面に「退職届」と記載します。
手書きが基本で、「書き出し」「退職理由」「退職日」「文末」「届出年月日」「所属部署と氏名」「宛名」が必須項目です。
例としては下記のようになります。
- 退職届
- 私儀
- このたび、一身上の都合により、勝手ながら202X年X月X日をもって退職いたします。
- 202X年月●日
- 第一営業部 ◎◎◎◎
- 株式会社▲▲▲
- 代表取締役社長 ■■■■殿
インターネットで検索すると、退職届のテンプレートが見つかるので、ルールに則って書きましょう。
契約社員が退職する時の適切な理由は
契約社員が退職する際には、企業に理由を聞かれるものです。その理由が適切でないものだと、トラブルに発展するかもしれません。
転職活動において、退職トラブルの過去をもつことは決してプラスには働かないので、避ける努力が必要です。
ここでは、契約社員が退職する際に適切と思われる理由を紹介します。
契約満了で退職する時
契約満了で退職する場合には、正直に理由を話してかまいません。
「正社員として働きたい」「新しい環境で仕事をしたい」など、上司や同僚が応援したくなる理由にするのがおすすめです。
本当はその会社に不満があったとしても、それをストレートに伝えるのは避けた方がよいでしょう。
転職活動を行う際に、円満退職していることがプラスに作用するからです。
契約途中で退職する時
企業と結んだ雇用契約を反故にして、契約途中で退職する場合には、正当な理由を求められます。
それは前述した、誰もが「やむを得ない」と感じる理由です。
企業と雇用契約を結んでいる以上、契約途中に自分の都合だけで簡単に退職できないのは当然といっても過言ではありません。
やむを得ない理由がなく、契約途中で退職するためには、会社側と真摯に話し合うしかないと心得ましょう。
以下のような理由にすると、契約途中であってもトラブルなく退職を認めてもらえるケースが多いので、参考にしてください。
- 業務内容の法令違反
- 企業の契約違反
- 労働者の心身の病気
- 労働者の家族の病気や介護
- 職場でのハラスメント
- 職場でのいじめ
どんな理由があったとしても、不満を訴えるのではなく事実を伝え、誠実な気持ちで対応することが大切です。
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契約社員が退職する時に知っておきたいこと
契約社員が退職するにあたり、知っておいた方がよいことがいくつかあります。
それを知って実践することで、退職トラブルを避けやすくなるはずです。
契約社員が知っておきたい、覚えておくと活用できることを2つ紹介します。
満了金をもらえる場合がある
企業の就業規則に明記されていない限り、契約社員には退職金は支払われないのが一般的です。
しかし、契約満了で退職する契約社員に対し、満了金を支給する企業は珍しくありません。
退職金や賞与とは違い、金額はそれほど大きくないことが多いようですが、感謝の気持ちを形にしてくれるのはうれしいものです。
雇用契約書に満了金の支払い規定があるかどうかをチェックして、もらい忘れがないように注意しましょう。
失業保険金を受け取れる
契約社員も雇用保険には加入しているので、基本的に12ヶ月以上勤務している場合は失業保険を受給できます。
失業保険を申請するには会社から交付される「離職票」が必要なので、退職時に確認しておきましょう。
ちなみに、前述のとおり契約満了による退職は自己都合退職の「特定理由離職者」に分類されるため、給付制限がかかりません。
契約満了後にすぐ転職できる人は問題ありませんが、そうでない場合は失業保険の受給が早いと生活の心配をせずに済むでしょう。
また、申請することで転職後に就職祝い金を受け取れる人もいます。
ただし退職する企業で3年以上、契約社員として勤務した場合には、正社員と同様に2ヶ月の給付制限がかかります。
併せて、最新の離職日から5年以内に自己都合退職を3回以上していると、3ヶ月の給付制限がかかるので注意が必要です。
契約社員の退職届に関する疑問
契約社員が退職届を作成するにあたり、どうすべきかで悩む人もいることでしょう。
契約社員の場合は契約更新に関する面談を行い、契約満了で退職することが確定した段階で、退職届を提出するのが一般的です。
また提出する際は、会社の規定で指定がない場合、他の社員がいない場所・タイミングで直属の上司に直接渡しましょう。
ここでは、退職届にまつわる疑問を2つ紹介します。その内容を理解して、マナーを守って提出しましょう。
退職届は手書き?パソコンで作成?
退職届は手書きにすべきか、パソコンで作成してもよいのかで悩む人もいるでしょう。
日本企業の慣例としては、手書きの退職届を用意する方が多いです。この場合は白い封筒と便箋を用いて、縦書きします。
しかし近年は会社名にアルファベットが使われることも多く、パソコンで横書き作成を義務付けている会社もあります。
また所定の退職届を用意している会社もあるので、就業規則や総務部で確認してから準備した方がスムーズでしょう。
さらに、退職届は書式が決まっており、誤字脱字の修正も認められないことも覚えておきましょう。
退職届の取り下げはできる?
退職届とは退職することが決定してから、会社に正式に届け出るための書類です。
退職の意向を伝える「退職願」とは違い、退職届は一度提出すると、基本的には取り下げることはできません。
退職届を提出した本人と雇用する会社の合意があった場合に限り、撤回することができます。
そうした事態に陥らないためにも、契約社員が退職届を提出するにあたっては、しっかり熟考することをおすすめします。
まとめ
今回は、契約社員の退職届の書き方と注意点を、具体例を交えて解説しました。
契約社員といっても、退職の経緯やタイミングによって、退職届に書くべき内容が異なります。
退職トラブルを避ける意味でも、誠意をもって退職準備をすることをおすすめします。
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是非参考にしてみてください!
転職サイトの選び方
転職サイトは以下のような進め方で選ぶと最適なものを選ぶことができます。
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「エージェント型」と「サイト(求人広告)型」を使い分ける
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