内定後の会社訪問は入社への不安を解消し、新しいキャリアへのモチベーションを高めるチャンスです。

また、会社にとっては新入社員候補をお披露目する場でもあります。

心置きなく新しいキャリアをスタートできるよう、マナーを守りチェックすべきポイントを的確に確認しましょう。

内定後の会社訪問の注意点とは

内定後の会社訪問は自分も先輩社員や上司からチェックを受けることになります。

失礼が無いよう、会社訪問前にやっておきたいのが事前の企業研究です。

企業研究は面接前にもちろんやるべきことですが、会社訪問前に行う場合とではフォーカスするポイントが少し違います。

会社訪問前の企業研究の場合、特に下記3つは最低限押さえておきたいポイントです。

• 企業概要
• 取り扱い商材
• 組織構成

特に、その会社で働くイメージが具体的になる情報に注目してみてください。

内定後に会社訪問する目的

内定通知後の会社訪問は内定を受けた応募者と会社の双方にメリットがあります。

会社にとってはより入社意思が固い人材を見極められるメリットがあります。

応募者にとってはその会社で働いているイメージが具体的になり入社に向けた不安を解消することができます。

入社意思を確認するため

内定を受けた応募者の会社訪問は会社にとって大きなメリットがあります。

特に企業が注目しているポイントが入社意思の固い人材の見極めです。

内定後、会社訪問を希望する応募者の多くは自分が働くかもしれない職場を確認する目的で訪問します。

そのため、会社訪問をする応募者＝入社可能性が高いという見方をされています。

また、実際の職場の雰囲気を確認することで内定者は自分が働いているイメージをしやすくなります。

イメージの相違によるミスマッチを防ぎ早期退職のリスク減にもつながります。

内定者の不安をなくすため

入社後のミスマッチ軽減は応募者側の不安解消メリットも見逃せません。

もし、入社前に不安な点があったとしても実際に職場の空気感や雰囲気を体感して不安を解消できることも多いです。

例えば、自分用の固定デスクで仕事をするのが苦手な人であれば、オープンオフィスの有無は気になるところです。

他にも、コミュニケーションの取りやすさ、音や匂いなど。働きやすい環境を判断するポイントはたくさんあります。

職場環境は時に業務に対するモチベーションを左右する重要な要素です。

つまり、会社訪問は入社に向けたモチベーションアップのチャンスでもあるのです。

内定後の会社訪問の流れは

内定後に会社訪問をする場合、内定→会社訪問・労働条件確認・面談→内定承諾→面談の流れで実施されます

内定承諾の前後にそれぞれ面談が行われる場合がありますが、それぞれ目的が違います。

承諾前に行われる面談は内定承諾に向けて応募者の背中を押す目的です。

そのため、他にも内定をもらっている企業があるのか、内定承諾を迷っている理由などが主な話題になります。

つまり、応募者がどのような判断基準で内定を承諾するのかについて質問されることが多いです。

対して、承諾した後の面談は入社に向けた具体的な話です。

• 労働条件に関する説明とそれに関する質疑応答
• 入社日の調整
• 入社前に準備しておくべきこと　など

会社との労働契約に関することが話題の中心となります。

内定後の会社訪問で確認したいこと

内定後の会社訪問では、実際にその会社で働くイメージが具体的になる情報に注目してみましょう。

特に、勤務場所・雰囲気・社員の態度・清潔感・労働条件は必須のチェック項目です。

勤務場所のチェック

会社訪問の際、まずは会社への行きやすさ・交通アクセスを確認しましょう。

通勤は毎日のルーティンです。

そこにストレスがかかってしまうと会社に行くことそのものが辛くなってしまうかもしれません。

特に女性の場合、街灯が少なく夜遅い時間に通るのが怖いと感じる道など防犯面のリスクも検討すべきでしょう。

最近はリモート面接も多いので、実は通勤のしやすさに関するチェックが見逃されがちになっています。

実際にその時間に通ってみないとわからないことも多いので、会社訪問の際は実際の通勤ルートを通ってみてください。

毎日出社する時間と帰社する時間帯のチェックがおすすめです。

社員の雰囲気や態度

実際にその職場で働いている社員の雰囲気、態度も会社訪問でチェックしておきたいポイントです。

特にチャンスとなるのが、転職先の繁忙期と重なってしまった場合の会社訪問です。

例えば、決算前や年末年始などはほとんどの人が仕事に追われ余裕がない状態です。

そのような中でもユーモアや笑顔が絶えない職場なのであれば入社に向けた不安も和らぐのではないでしょうか。

また、社員の自分に対する態度や挨拶にも注目してみましょう。

会社訪問に来た見学者に対しても礼儀正しく丁寧な対応であれば社員教育が行き届いている健全さを期待できます。

社内の備品や設備に清潔感があるか

職場内の設備や備品に清潔感があるかどうかも会社訪問の際にチェックしてみてください。

清潔・衛生的な環境は業務を滞りなく進める環境に求められる最低条件の1つと考えられます。

例えば、大阪の企業約7,800社が対象のあるアンケートでは職場の清潔感がもたらすメリットを多くの企業が認めました。

特に従業員のモチベーション・モラル面での影響を多くの人が挙げています。

また、職場に清潔感があるということは日常的な清掃業務に人を割く余裕があるということです。

キャリアの再スタートとなる転職者を受け入れる余裕があり、安心して飛び込める職場である可能性が高いです。

労働条件のチェック

会社訪問の機会を得られたら労働条件に関しては必ず質疑応答を行う時間をとってもらいましょう。

特に下記の項目については要チェックです。

• 給与
• 労働時間　※残業時間含む
• 休日
• 福利厚生

給与や労働時間は労働条件の中でも具体的な数字を示せる項目です。

だからこそ面接では中々聞きづらいのですが、内定後の会社訪問はそれが聞ける数少ないチャンスでもあります。

また、具体的な数字が出せる条件に対して明確な基準を示せない会社は契約に対する意識があいまいな可能性もあります。

内定後の会社訪問時のマナー

内定後の会社訪問で注意したいマナーは基本的に社会人として一般常識と考えられるものです。

特に時間前行動と携帯スマートフォンの電源OFF、挨拶をポイントにしっかり対応しましょう。

時間前行動を心がけよう

会社訪問時、時間厳守は守るべき当然のマナーです。

ポイントは5～10分前を基準にした時間前行動。早すぎず遅すぎず、ちょうど良い時間に訪問しましょう。

遅刻しないことはもちろんですが、あまり早すぎても対応してくれる社員の時間を取ってしまうことに注意が必要です。

携帯・スマホの電源はOFF

会社訪問時、携帯電話・スマートフォンの電源はOFFにしておきましょう。

会社訪問ではチェックすべきポイントがたくさんあります。

また、採用担当者もせっかく機会に説明したいことやアピールしたいポイントがあるはずです。

互いに集中して情報のやり取りをしたい場面なので急な着信に邪魔されないようにしておきましょう。

マナーモードでOKな会社もありますが、スマートフォンのバイブレーション機能は意外に音が大きく聞こえます。

原則はあくまでも電源OFFの状態です。

挨拶はしっかりしよう

会社訪問の際は挨拶に気を配り自分から先に声をかけるようにしましょう。

会社訪問を社員の側から見ると内定した人を社員がチェックできる場でもあります。

様々な案内をされる中で採用担当者だけでなく初対面の社員と会うこともあるでしょう。

直属の上司となる予定の社員や先輩が見に来る可能性も少なくありません。

社会人の基本である挨拶をしっかり行い印象を良くしておくと入社後の人間関係にも良い影響が期待できます。

内定後の会社訪問の服装は

会社訪問時の服装はファッション性よりも無難さ、ベストよりもベターをテーマに選んでみてください。

持ち物は筆記用具・メモ帳が絶対必要です。

女性のスーツマナー

女性が会社訪問を行う場合、基本的には転職活動中と同じ服装で構いません。

ただし、リクルートスーツは新卒のイメージがあるため転職の場合は工夫が必要です。

例えば、工夫できるポイントの1つがジャケットの下に着るトップスです。

白のワイシャツは新卒の就活スタイルになってしまうのでカットソーやブラウスでアレンジしてみてください。

また、デザイン・色によっても印象が変わるので自己PRとリンクしたイメージの色にするテクニックもあります。

メイク・ネイル・アクセサリー

全体的なテーマとして、清潔感・シンプルを意識してみましょう。

メイクは健康的でナチュラルな印象に仕上げ、派手な色味を避けてください。

ネイルもスカルプやストーン系のアクセサリー類は避け、肌の色に近いナチュラルな色合いがベターです。

アクセサリーは結婚指輪やベルト部分にあまり装飾性がないシンプルな時計であれば問題ありません。

カバン・持ち物

会社訪問時に携帯するカバンはビジネスバッグがベターです。

デザイン性のないシンプルなデザインでA4の書類が無理なく収納できるものがおすすめです。

ブランド物でも大丈夫ですが、ナップザックタイプは若すぎる印象になってしまうのでできるだけ避けましょう。

内定後の会社訪問・内定者懇親会で必ず携帯しておきたい持ち物としては下記が挙げられます。

• 筆記用具
• メモ帳
• マスクの予備
• 印鑑
• 身分証明書
• 会社へ提出する書類　など

話を聞きながらメモしていく場合、スマートフォンのメモアプリは入力が追い付きません。

手書きの筆記用具とメモ帳が確実です。

使い捨ての不織布マスクの場合、ひもが切れてしまうトラブルを想定し予備を用意しておくと安心です。

女性であれば上記に予備のストッキングと簡単に化粧直しができるメイクセットが加わります。

印鑑や会社から指示を受け提出する書類はまだ入社意思が固まっていないのであれば使わないこともあります。

コートのマナー

コートは基本的に採用担当者と顔を合わせた時点では脱いでおくのが基本です。

できるだけ会社の外で脱いでおきましょう。

内側を表にして畳み片手で持つのが一般的なマナーと言われています。

季節や天候上、屋外で脱ぐのが難しければ建物のエントランスで受付社員とコンタクトを取る前に脱いでおきましょう。

オフィスカジュアルと言われたら？

最近はスーツではなく私服での出勤を認める会社も増えてきました。

そのため、会社訪問の際にオフィスカジュアルを推奨する会社もあるようです。

IT系ベンチャー企業など比較的社風が自由な会社であればオフィスカジュアルでOKとなる傾向があります。

ただし、どのくらいカジュアルでいいのかは職場の雰囲気や社風にもよります。

スーツを基本にしてビジネスマナー上、無難な服装にしておくのがベターです。

訪問後に内定辞退はできる？

内定後に会社訪問をした結果、内定を辞退するのは問題ありません。

ただし、辞退の連絡をする時に注意するべきポイントが2つあります。

• できるだけ早めに連絡すること
• 誠意をもった対応をすること

特に内定辞退の連絡はできるだけ早めに済ませましょう。

会社によっては採用人数・育成計画を緻密に計算していることも考えられます。

内定辞退によって計画が大きく変わってしまうこともあるので辞退の意志が固まった時点で連絡しておきましょう。

その際に伝えるべき項目が下記5つです。

• 名前
• 内定をもらえたことに対する感謝
• 見学させてくれたことへの感謝
• 内定を辞退したい旨
• 内定辞退に至った理由

採用担当者は会社訪問時の対応をはじめ採用活動に時間と人手を割いています。

できればメールと電話両方で会社訪問に対する感謝を伝えましょう。

転職対策は転職エージェントを活用しよう

内定後、会社訪問の希望があっても「連絡していいのか？」と考えてしまう人が少なくありません。

実は、そのような時にこそ転職エージェントの出番です。

転職エージェントは転職希望者と会社の縁をスムーズに取り持つ存在です。

転職希望者が内定先の会社に対して言いにくいことも代わりに伝えることができます。

会社訪問のアポ取りや日程調整も両者の間に立ちスムーズに進めるお手伝いができる存在です。

まとめ

面接を突破し内定をもらった後、そのまま入社することに不安を覚える人は少なくありません。

もし、どうしても不安が消えないなら採用担当者に会社訪問ができないか確認・相談してみましょう。

直接の交渉が難しいのであれば遠慮なく転職エージェントを頼ってください。