面接での質問はある程度決まったものがあります。「志望動機」や「退職理由」といった質問を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。

その中でも面接担当者が重要視する質問のひとつが「健康状態」についてです。

このページでは、面接で「健康状態」を聞かれた場合にはどのように答えるのが適切なのか解説していきます。

面接で健康状態を聞かれた時の答え方は

明確な意図があっての質問ですので、誠実に嘘のない答えを返しましょう。

ですがもし持病がある場合などには正直に話すべきか迷ってしまう方もいらっしゃるかもしれません。

そもそも健康とはどういう状態なのか疑問に思うこともあるでしょう。

「健康状態」に関する質問をされた場合に備えて質問の意図や真意をしっかりと把握しておいてください。

質問に対しての適切な回答を準備しましょう。

面接官が健康状態を質問する真意は

面接官は話のついでや興味本位で健康状態を聞いているのではありません。

面接官や採用担当者が健康状態に関する質問をする目的は応募者が健康かどうかを確認するためです。

健康であれば日々の業務をこなすだけの体力もあるでしょう。長く企業に勤めることも可能です。

安心して業務を任せられるかどうかを判断するためにも健康状態を確認する必要があります。

業務に影響する健康状態ではないか確認したい

• 外回りの営業職を希望しているのに足に不安がある
• PCを使用するため一日中座り仕事の事務職なのに重い腰痛がある
• 細やかな作業をする職種なのに手の震えがある

このような業務に影響する健康状態では安心して採用することができません。

面接官が確認する健康状態とは業務を任せることができる状態であるかどうかです。

健康状態を維持できる能力があるのか知りたい

健康状態を維持できることは重要な能力です。

採用してもすぐに体調を崩したり退職したりする人では業務を安心して任せることはできません。

また長く働き続けてくれる人材は企業にとって貴重な存在です。

採用担当者も健康状態を維持できる能力がある人を採用したいと考えています。

健康状態を質問することで応募者に健康を維持する能力があるのかどうかを見極めているのです。

自分の健康状態は正直に答えよう

採用後にきちんと働き続けることができるのかを見極める質問なので、健康状態はきちんと正直に答えましょう。

嘘をついて採用されたとしても業務に支障をきたせばすぐにバレてしまいます。

面接時の質疑応答は記録されていますので信用を失ってしまうでしょう。

せっかく転職できたとしても、信用がなくなれば働きづらくなるのは自分です。

長く業務を続けるためにも健康状態については正直に伝えます。

健康状態に問題がない場合

健康状態に問題がない場合はその旨を伝えましよう。

「はい、良好です」と答えれば正確に健康状態が良いことが伝わります。

もし回答時間に余裕があれば、それに加えて健康状態をどのように保っているかなどを伝えることも大切です。

身体を健康に保つために気をつけているポイントや体力がある事をアピールできると良い印象を与えることができるでしょう。

例として「はい、良好です。休日にはジムに通っていますので体力にも自信があります。健康を維持するために食生活にも気を配っています」といった答え方があります。

通院中の場合

 

通院中の方は正直に通院中ということを伝えましょう。それに加えて、通院中でも業務に支障が出ないこともアピールします。

どのような症状で通院しているのか、それはいつ頃終了するのかを具体的に伝えると良いでしょう。

• 「現在足の捻挫で治療中です。入社までには完治すると医師から言われております」
• 「現在〇〇の治療のため月に一度通院しています。医師からは業務に支障が出ない旨確認しております」

といった答え方になります。

業務に制限が出る健康状態の場合

もし通院などにより業務に多少の制限が出る場合も正直に伝えます。ですが必要以上に卑屈になることはありません。

あまりに必死に制限が出てしまうことを話題にしてしまうと、面接官は逆に不安を覚えてしまいます。

「本当に制限は少しだけなのか」「実は採用後にきちんと業務をこなせないのでは？」といった印象を与えてしまうかもしれません。

もし業務に制限が出るような健康状態である場合は、できることとできないことを正しく伝えましょう。

「応募内容の業務に支障が出ることはありません。ですが重い荷物を持ち上げることはできません」など、少しでも面接官の不安を和らげる内容を伝えるのも良いでしょう。

健康状態と前向きな姿勢を見せよう

健康状態を伝える時に他の応募者よりも一歩リードしたいのであれば、何かプラスアルファの事柄を一緒にアピールしてみましょう。

業務に前向きであることも一緒にアピールすると良い印象を与えることができます。

自分の回答時間をオーバーしないようにバランスを取りながら話してください。

通院中であるなら医師との相談を済ませた上で「このような場合はこうしようと思っている」と伝えましょう。

持病がある人はどう答える？

例えば軽度の肥満や花粉症など持病をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

病気がなく健康ではないが業務にはほぼ支障が出ないという場合は特に伝える必要はないでしょう。

もちろんその場の雰囲気を見ながら「はい、健康状態は良好ですが、花粉症の季節には少し辛いこともあります」といった雑談程度に伝えても構いません。

健康状態はアピールポイントにもなる

面接官は採用後会社で活躍してくれる人材を求めています。健康状態が良い人は仕事を遂行できるという印象を与えることができるのです。

また長く会社で働き続けてくれるかもしれないという期待感も持てます。

健康状態が良好であることは十分なアピールポイントになります。

体力に自信があれば健康状態に加えて体力のアピールの機会にもなりますし、健康状態に不安がある場合にはそれでも働きたいという前向きな意思表示にもなります。

健康状態が良いのもスキルのひとつ

健康状態が良いことはひとつのスキルといえます。

例えば営業職であれば足腰が強い人、接客業であれば一日立ち仕事ができる体力のある人など、健康状態が業務に与える影響は大きいです。

面接官は業務をこなせる人材を採用したいと考えていますので、仕事をする上で求められる健康状態であるということは一種のスキルといっても良いでしょう。

健康状態の維持は長期的な面で重要

健康であれば長く仕事を続けることができます。企業としても採用した社員には長く働いてほしいのです。

そのためこれまで健康状態を維持していたという人は、自己管理ができており入社後長く働いてもらえるという印象を与えることができます。

健康状態の維持は長期的な目で見てもとても重要なポイントです。

きちんと自己管理ができるということは重要なアピールポイントになります。

自分の健康に気を使いそれを維持していくことは意外と簡単なことではありません。

自己管理ができる人は業務を任せてもきちんと管理してやり遂げてくれるだろうという期待感も持てます。

面接官の印象も良い

面接官は健康状態を見て業務を任せられるのかを判断します。そのため健康であれば良い印象を与えることができます。

また通院していたり持病がある場合でも業務に合わせた通院方法や対処を考えていることを伝えることができれば前向きな印象を持ってもらえるでしょう。

業務に支障が出ない範囲であればそういった前向きな姿勢もきちんと汲み取ってもらえます。

嘘をつかず真摯に答えることができれば決して悪い印象を与えることはありません。

業務に支障が出ると考えられる場合は？

「通常業務はこなせるが業務に制限がある」のではなく「業務に支障が出る」場合について解説します。

• デスクワークの事務職を希望していたが手を骨折してしまった。
• 営業職だが足の怪我で歩き回ることができない。
• このようなケースは業務に支障が出る状態だと考えられるでしょう。

もし面接の前にこのような状況になってしまった場合には、面接前に健康状態を伝えましょう。

このような健康状態が理由で不採用になる可能性もあります。

ですが嘘をついて採用されたとしても、結局仕事を長く続けることはできません。

また不採用になったとしてもそれは貴方の人間性を否定されたわけではないことを知っておいてください。

ただ単に企業と自分の現状がマッチしなかっただけの話です。気持ちを切り替えて自分にあった企業を探しましょう。

自分の健康状態を理解しているのであればどのような業種が良いのか転職エージェントに相談してみるのも手です。

履歴書への健康状態の書き方

履歴書に健康状態を書く場合は、嘘をつかず簡潔に記述すれば問題はありません。

もし余裕があれば体力的に自信があることを添えても良いでしょう。

一方で、健康に不安がある場合は正直に書くと良くない印象を与えるかもしれないと考えてしまうこともあるのではないでしょうか。

ここでは様々なケースでどのように記述すればよいのか解説しています。

採用担当者は通常業務に影響がないか確認している

採用担当者は通常業務を任せられる健康状態であるかどうかを確認します。また社内で健康状態に対して配慮が必要かも見ています。

採用後に体に負担がかかってすぐ辞めてしまうことがないのかどうかをチェックする必要があるのです。

健康状態に問題がない時の書き方

健康状態に問題がない場合は「良好」と記述してください。

日常業務に支障が出ないのであれば、花粉症や腰痛といった持病を記入する必要はありません。

また大病を患ったこともなく体力に自信がある場合には「極めて良好（前職では○年間無欠勤です）」といった書き方をしても良いでしょう。

持病・既往症・通院中の時の書き方

業務に支障の出ない範囲であれば病歴についても詳細を記載する必要はありません。

健康状態の不安な点は事実のみを面接で伝えます。

もし通院中であれば頻度を記入したほうが良いでしょう。入社後働き方についてある程度配慮してもらえるかもしれません。

業務に支障が出ないことと併せて記述すれば良いでしょう。

「良好（通常業務に支障はありませんが、一ヶ月に一度通院の必要があります）」といった書き方をしてください。

無理に書かなくていい場合もある

肩こりや花粉症など通常の業務には支障が出ないような持病は無理に記述する必要はありません。「良好」と書きましょう。

軽い捻挫など入社までに完治している見込みがあれば、業務に支障がないと考えて構いません。

もし通院していることが気になる場合には「良好（現在捻挫のため通院中ですが、一週間後に完治予定です）」といった書き方をしても良いでしょう。

健康状態欄の内容は書類選考に影響する？

採用担当者は業務を任せられるだけの健康状態であるかどうかを判断しています。

もちろん何事もなく健康状態であることが一番なのですが、たとえ持病があったとしてもそれだけで不採用になるわけではありません。

業務に支障が出なければ選考に影響は出ないでしょう。

通院や持病について正直に申請していれば、入社後に働き方について配慮してもらえるかもしれません。

転職活動は転職エージェントを活用しよう

通院中や持病がある場合でも業務に支障がなければ不安に思う必要はありません。

通常の業務をこなせるのであれば正直に伝えてください。

採用担当者や面接官は、通院中であっても魅力的な人材であれば採用したいと考えています。

ですがどのような健康状態であれば業務に支障が出ないのか判断に迷うときもあります。

そんな時には転職エージェントを活用しましょう。

業界ごとに事情は異なりますので、情報を持ったエージェントがサポートしてくれます。

まとめ

健康状態を正直に伝えることは書類選考や面接を受ける上でとても大切なことです。

健康だと偽っても入社後に働けなくなってしまえば意味がありません。

それよりも健康状態を正直に伝えることで、入社後長く働き続けることができる方法を模索するほうが企業にとっても良いでしょう。

健康状態とともに業務に前向きな姿勢をアピールするチャンスでもあります。

どういった健康状態であれば問題ないのかは業界によっても違いますので、転職エージェントに相談してみるのもおすすめです。

健康状態を見つめ直してより良い転職を目指しましょう。