時給が高い傾向にありながら、学歴や職歴に付いて不問のところが多く始めやすい職種といわれる「テレアポ」。
アルバイトや人材派遣での働き方ならば、勤務時間などの融通が利くのが嬉しい仕事です。
学生や主婦、あるいはダブルワークを探しているOLにも見逃せない選択肢だといえるでしょう。
ただ、最近は代行サービスのテレアポや在宅テレアポも登場した影響で「自分に向いているテレアポはどれか」がわかりにくくなっています。
この記事では、給料のシステムやノルマなど、テレアポに関する気になる疑問をチェックしていきましょう。
Contents
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テレアポは「テレフォンアポインター」である
テレアポの仕事内容
テレアポは正確にいえば、「テレフォンアポインター」といいます。
一種の営業担当者ですが、専ら電話を通しての営業活動になります。
自身がお客さんのお宅を訪問するといったことはありません。
もちろん、その企業が扱う製品やサービスを売り込んだり、別の営業担当者が訪問する約束を取り付けたりします。
電話を掛ける対象となる相手はその企業が扱っている商品次第。
企業もあれば、個人に対してというケースもあります。
テレアポとコールセンターの関係
実際の募集は、「コールセンター」として出されていることも珍しくありません。
というのは、一般的にコールセンターには、2つの機能があります。
1つはお客様からの問い合わせに応対する「カスタマーサポート(サービスセンター、お問い合わせ窓口)」。
そしてもう1つが、今回注目しているこちらから商品の案内をする「テレフォンアポインター」です。
それぞれ、「インバウンド(受信)」、「アウトバウンド(発信)」と呼び分けるときもあります。
テレアポが目当ての人は、「コールセンター」を探してみるのも大切です。
そして、テレアポとしての募集なのかどうかをしっかりとチェックしなければいけません。
コールセンターはどこがやっている?
コールセンターは1980年代に、一気に広まりました。
お客様からの問い合わせや相談などの電話が増え、専門の部署を作ることで効率化したのです。
当初はカスタマーサポートのみのところが多かったのですが、次第にテレフォンアポインターに取り組むところも増えました。
また、最近では代行サービスも普通に見られるようになりました。
コールセンターの役割を各企業に代わって受け持つ専門業者のことをいいます。
企業目線で考えると、社内の一部所でオペレーターをイチから育成しノウハウも蓄積するのは、大きな負担になります。
代行サービスを利用すれば、コストの面から効率化可能だということです。
テレアポの求人も同様です。
自社で運営されている企業自身の直接募集と、代行サービスが募集している場合などがあります。
求人広告を見る際に頭の中に入れておきましょう。
テレアポに向いている人
テレアポに向いているのは次のような人です。
- コミュニケーション能力が高い人
- 成功報酬であることも珍しくないので、努力した分を給与に反映してもらって、しっかりと稼ぎたいと考えている人
- 切り替えが早くて、新しい気分で次に取り組める人
もちろん、コミュニケーション能力などに自信がなくても、意欲次第で自分自身が変わってくることは珍しくありません。
また、どの職場でしっかりとサポートも付き、成長を助けてくれます。
「あまり細かく考えず、まずはチャレンジしてみる」という人も、テレアポに向いているといえるでしょう。
テレアポのメリットは4つ
同じくコールセンターの一部とはいえ、カスタマーサポートとテレアポでは仕事の内容が異なります。
テレアポのメリットは大きく分けて4つあります。
- 時給が高い
- 時間の融通が付きやすい
- 快適なオフィス
- 事務の基本やビジネスマナーが身に着く
時給が高い
時給が高いというのは、やはり最大のメリット。
コールセンター全般に高めですが、テレアポになると一層高くなります。
更に成功報酬であることも珍しくありません。
場合によっては、時給に上乗せして高額な報酬を得ることも夢ではないでしょう。
時間の融通が付きやすい
基本的にどこの職場でも、シフトを組んで運営しています。
アルバイトや契約社員、派遣社員ならば特に曜日や時間帯を選んで都合のいいときだけ働くことができます。
ダブルワーク、アルバイトでしっかり稼ぎたい学生、家事もおろそかにしたくない主婦に向いた仕事といえるでしょう。
快適なオフィス
「くつろげる環境が仕事の効率を上げる」という考え方が徹底されています。
そのため、オフィスは快適です。
充実した休憩室があったり、休憩時間も多めでこまめに設定されているなどがみられます。
心身ともにリフレッシュできるように工夫されていることが珍しくありません。
とはいえこちらに関しては職場によって如実に差がある要素ですから、注意深く選択する必要があります。
事務の基本やビジネスマナーが身に着く
電話を通して常にお客様と接する仕事です。
丁寧な指導があるので、自然と正しい言葉遣いを覚えます。
記録などを取るためにWordやExcelを使うことも多く、基本的な事務仕事も覚えることができるでしょう。
「パソコンが苦手」といった人もそれを乗り越える第一歩になるかもしれません。
テレアポの雇用形態と給料
アルバイト・契約社員
「パート」と「アルバイト」は法律上は「短時間労働者」といい、違いはありません。
正社員と比べて1週間の所定労働時間が短いものをいいます。多くの場合、給料は時給で計算されます。
様々な求人情報から割り出した平均時給は、2020年の東京都と大阪府の場合約1,400円ほどです。
契約社員の場合は、その契約内容によって給料の計算方法も月給だったり時給だったりと様々です。
パート・アルバイトなどと比較して高くなるかどうかもその契約次第です。
求人内容と契約書それぞれを、最初にしっかりと確認しておくようにしましょう。
後から悔やむことがないよう、注意深くチェックすることが大切です。
派遣
パート・アルバイトや契約社員は、社内にコールセンターを持っている企業・コールセンター代行会社から「直接雇用」されます。
人材派遣は「間接雇用」です。
雇い主はあくまで人材派遣会社で、給料もそこから出ます。計算方法は時給と考えていいでしょう。
間にもう1社入っていることから、給料も割安になりそうなイメージがあるかもしれません。
しかし、実際には逆で、パート・アルバイトの2割〜3割増し程度が時給の相場です。
正社員
数は減少しつつありますが、正社員でのテレアポを募集しているところもあります。
その商品やサービスを提供している会社が直接雇用している正社員の場合もあれば、代行会社の正社員の場合もあります。
給料は月給制が基本です。時間あたりに直すと、人材派遣などよりも一見安くなってしまう場合が少なくありません。
しかし、ボーナスがフルに出たり退職金があったりする上、福利厚生も用意されています。
ここまで計算すれば、大半の場合人材派遣などと逆転します。
また、定年まで勤めることができるのも嬉しいポイント。雇用が安定しているのもメリットです。
成果報酬とノルマについて
テレアポでは時給以外に、成果報酬を設定していることが珍しくありません。
「契約を取れたら、1件あたり◯円」がその典型でしょう。
がんばった分だけ給料が上がるので、これをモチベーションにする人もたくさんいます。
また、テレアポの応募の際に必ずチェックしておいた方がいいのは、ノルマの有無。
そしてノルマがある場合の程度や種類です。
「1日に何件電話をする」といった場合もあれば「月に何件の成約」といった場合もあります。
確かに、一部ノルマの厳しい職場があるのも事実です。しかし、話に尾ひれが付いていることも珍しくありません。
うわさ話程度のものを安易に信用しないようにしましょう。
会社説明会や面接の時に職場も見学させてもらうのも1つの選択肢。
気になることは残さずに質問もし、自分自身でしっかりと確認するのが失敗しないポイントです。
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高給を得るコツ
時給の高さが魅力のテレアポですが、努力と工夫次第でさらにアップさせることもできます。
トークを磨く
電話での交渉事なので、もちろんトークに優れている方が有利です。
とはいえ、「立て板に水」といった話術は必要ありません。
求められているのは、「相手に信頼される話し方」や「伝えたいことが伝わる話し方」です。
配属時には十分な研修があって、敬語などの正しい話し方や電話マナーなどを身に着けられるようにはなっています。
とはいえ、好成績を上げるオペレーターは話し方や内容について自分なりの工夫もしているのが現実。
インターネットや書籍を参考にし、自分なりのものを作り上げるようにしましょう。
専門性を身に着け、その上で求人を選ぶ
扱う商品についての知識も、十分な資料が提供されて研修でも教え込まれるでしょう。
通常はこれで十分。「よく知らない商品や業界」ということでの心配はほとんどありません。
とはいえ、金融やインフラ・IT・医療といった専門性の分野に精通し、関連の深い商品を扱うところで働けば有利なのは間違いありません。
また、専門性が高いテレアポほど時給や成果報酬が高く設定されています。
職場を変える
仕事に慣れてくると、「時給や成果報酬をアップして欲しい」と考えることも出てくるでしょう。
しかし、パート・アルバイトの場合はかなり大変です。
人材派遣ならばほとんど可能性がないといえます。
正社員と違い、非正規雇用の場合は基本的には人事評価の対象にはなっていません。
いっそのこと、ほかの職場に変わることも視野に入れましょう。
それまでに積み上げた経験と得たスキルがあれば、今の職場よりも好条件のところに採用される可能性も高くなっているはずです。
在宅テレアポとは
実はテレアポにはもうひとつ、「在宅テレアポ」という働き方も登場しています。
もちろん、その呼び名の通り、自宅で行うテレアポです。
テレワーク(在宅勤務)に興味のある方には見逃せない選択肢でしょう。
在宅テレアポのシステム
業務の内容自体は基本的な一般のテレアポと変わりはありません。研修なども十分に行われます。
大きな違いとしては次のようなことに気をつければいいでしょう。
まず1つ目は、パート・アルバイトや人材派遣ではなく、業務委託になることが多いということです。
雇われるのではありません。
自分は自営業者扱いとなり、企業との間で契約を結ぶといった感じです。
また、一般的なテレアポと比べて成果報酬の比率が高めであるということも頭に留めておきたいポイントです。
成約状況がよりストレートに報酬に反映し、大きな金額を得ることができる可能性があるということになります。
その半面「調子が悪いと、がたっと収入が減る」というリスクもあります。
在宅テレアポのメリット・デメリット
在宅テレアポの最大のメリットは「通勤不要、働く曜日や時間帯もパート・アルバイトなど以上に自由が利く」ということでしょう。
通勤が不要ということは、行き帰りの通勤時間も無くなるということになります。
ほんの少しでも時間を有効に使いたかったり、子どもが小さすぎて外出もままならなかったりする人にとって非常に助かる要素でしょう。
今後の社会人生活のためにもテレアポを経験しておく
「工場や店舗でしか働いたことがない。オフィス勤務にも興味があるが、ハードルが高い」という人もいるかもしれません。
あるいは「OLの経験はあるが、退職後のブランクが長すぎて復帰するのがためらわれる」という人もいるでしょう。
まずは、テレアポとして働いてはいかがでしょうか。
未経験でも比較的簡単に採用されます。
それでいて、研修はしっかりと用意されていて、ビジネスマナーや事務仕事などのスキルも身につけられます。
いずれも、一人前の社会人として不可欠なものです。
これから先もテレアポを続けるにしても、ほかの職業に就くにしても、テレアポでの経験は決して無駄にはならないでしょう。