女性の場合、結婚を機に退社する「寿退社」と呼ばれるライフイベントがあります。
その後実は失業保険や扶養申請の手続きが必要であることをご存知ですか?
今回は失業保険と扶養申請についてどちらがお得かを含めて解説します。
また、扶養に入る場合はタイミングも重要になるので、そちらも併せてチェックしましょう。
Contents
退職後に失業保険や扶養申請を行う時の手続き
寿退社も経緯はどうあれ中身は「退職」であり、会社を辞めた後には手続きが必要です。
1番大きな違いは社会保険であり、会社が負担してくれた分を自分で負担しないといけません。
退職後の手続きは年金・健康保険・失業保険などがあります。具体的に述べましょう。
- 退職日までに必要書類の受け取りと備品の返却を行う
- 退職日から2週間以内に国民健康保険と国民年金に切り替える
- 任意継続する場合は20日以内に切り替える
- 失業保険手続きを速やかに行う
これらの手順を踏まなければならず、扶養申請となるとまた別の手続きが必要です。
会社を退職した後もきちんと支払いの義務は発生しますので注意してください。
失業保険が受給できる人の手続き
まずは失業保険が受給できる女性の手続きを解説します。
転職活動する人は給付対象
退職後に転職活動を行う予定の方は失業保険の給付対象者となります。
失業保険は会社を退職したという理由だけもらえる安易なものではありません。
あくまでも再就職の意思があるとハローワークが判断した場合に限ります。
失業保険は正確には国が助成金として雇用保険から出す手当のことです。
就職しようという意思のない無職の人が受け取れる代物ではありません。
そのため寿退社など退職後に就労の意思がない人は対象に含まれないのです。
妊娠などで退職した
失業手当を受給できる期間は最長1年間という決まりがあります。
通常再就職の意思がない場合は失業手当を受給することはできません。
しかし、妊娠や子育てなどの場合は特例として受給期間の延長が認められています。
本来の受給期間に職業に就くことができない状態の日数(最大3年間)を延長できるのです。
きちんと申請の手順を踏めば受給期間を最大で4年間に延ばすことができます。
もし産休後も再就職の意思があり働きたい方は是非申請してみてください。
引越の都合で退職した
引越の場合も実は特定理由離職者として給付制限がなくなります。
特定理由離職者とは病気などのやむを得ない理由で離職を余儀なくされた人のことです。
転勤の場合を別にしても退っ引きならない事情で引越を行うことは可能性として大いにあります。
そのような場合は特定理由離職者として申し出ることによって給付制限なしの受給が可能です。
失業保険の受給に必要な書類は?
それでは失業保険を受給する為に必要な書類は何でしょうか?
具体的には以下の書類と道具が必要です。
- 離職票2枚
- マイナンバーカード・マイナンバー通知カード・マイナンバー記載の住民票のいずれか
- 身分証明(運転免許証・運転経歴証明・公的医療保険の被保険者証・年金手帳等々のいずれか)
- 本人の印鑑(シャチハタは不可)
- 写真2枚(タテ3.0cm×ヨコ2.5cm)
- 本人名義の預金通帳またはキャッシュカード
- 筆記具
これらを携帯して管轄のハローワークへ行き、失業保険受給の手続きを行ってください。
この中でいずれかが欠けても失業保険の給付はできませんので気をつけましょう。
失業保険受給の手続き
失業保険受給の手続きは具体的に以下のプロセスを踏みましょう。
- ハローワークで求職の申し込み(離職票と求職票の提出)を行う
- 7日間の待期期間を満了する(なおこの期間に働いてはいけない)
- ハローワーク主催の雇用保険受給説明会と失業認定日に出席する
この4つの手順を踏まえ、1週間程度で初めて給付されるようになります。
それ以降は毎月の失業認定日に出席して報告書を提出するようにしてください。
失業手当でもらえる金額と期間
それでは失業手当でもらえる金額と期間は具体的にどのくらいなのでしょうか?
自己都合の退職
寿退社などの自己都合による退職の場合は金額も期間もさほど優遇はされません。
まず7日間の待機期間満了の後更に3ヶ月程の給付制限期間が課され失業保険は入らないのです。
仮にこの問題をクリアしても自己都合の場合は貰える金額と期間は少なくなります。
しかし、2020年からコロナ禍による自己都合で退職した場合はこの限りではありません。
親族の方がコロナ感染したことによる看病や本人が感染した場合は給付制限期間はないのです。
しかし、この場合でも支給される期間は最長で210日までと決められていますので気をつけてください。
解雇などの会社都合の退職
人員整理など会社都合による退職の場合は給付制限はなく7日間の待機期間満了後に受給可能になります。
受給期間は年齢と前職の被保険者期間によって異なり、1番長いのが45歳以上60歳未満です。
この条件で前職が20年以上勤務であった場合最大で360日、つまり1年間受給できます。
また上記のコロナ禍に伴う会社都合の退職だった場合最大3年の受給期間に延長できるのです。
しかし、あくまでも期間の延長であるため受給金額に大きな差があるわけではありません。
また、再就職のための措置に過ぎないため、寄りかかりすぎないようにしましょう。
国からの助成金といえど、決して無償でもらえるものではないのですから。
退職後に扶養に入る場合は?
寿退社などで再就職の意思がない場合は扶養家族になるという方法もあります。
育児産休などの場合は配偶者、未婚の場合は親の扶養に入るといったことも考えられるでしょう。
失業保険とはまた別の手続きが必要になりますので、正式な書類を揃えておいてください。
そしてこれが最も大切ですが、扶養に入る家族の会社に連絡しておきましょう。
この段取りをしっかり組んでおかないと、後々大変なことになります。
扶養手続きを行う前に必要な書類は以下の通りです。
- 被扶養者届
- 収入が確認できる書類(退職証明書・雇用保険被保険者離職票など)
- 続柄が確認できる書類(住民票の原本・戸籍謄本の原本など)
こちらの書類一式を揃えて扶養の手続きを行ってください。
失業保険を受給しながら扶養に入れる?
扶養に入る女性が疑問に思うのは失業保険受給との兼ね合いは可能なのか?です。
結論から申し上げますと受給自体は可能ですが、条件があります。
以下具体的に解説していきましょう。
扶養に入るための条件
まずは扶養に入るための条件がありますが、基本的には以下の3つです。
- 被保険者により生計を維持されている
- 年収が130万円未満かつ同居の場合被保険者の年収の2分の1未満
- 配偶者・子・孫・兄弟姉妹・父母・祖父母などの直系尊属・同一世帯の3親等内の親族
まずはこれら3つの条件を満たさなければ扶養に入ることはできません。
どうしても経済的には配偶者ないし扶養家族に依存することになります。
このいずれかを満たしていない場合は扶養ではなく自立した個人と見做されるのです。
この辺りの条件はまずきちんと押さえられているかを事前に確認してください。
年収130万を超えないように注意
2つ目の条件に書いてありますが、年収は130万円を越えないようにしましょう。
例えば結婚して数年経って余裕が出来た女性の方が内職やパート・アルバイトで働くとします。
そこで130万円を超えてしまうと共働き扱いとなって様々な税金が発生してしまうのです。
実際主婦でパートをしている方が1番気をつけているのは年収130万を超えない働き方だそうです。
もし産休後に働きたくなった場合はこの点を配偶者や家族と話してシフトを組むようにしてください。
扶養は国民年金しかもらえない
専業主婦などで被扶養者になって社会保険から外れると国民年金しかもらうことはできません。
しかもその国民年金は決して無償ではなく定年まで払い続けなければならないのです。
税金その他を働いている扶養者に依存しているわけですから受け取れる金額は限られます。
その為どうしても老後のお金に困ってしまうということにもなりかねません。
寿退社などで被扶養者になることはメリットと同時にデメリットも発生します。
支出が少なくて済む分得られる収入も少なくなることを意識しておきましょう。
念の為扶養に加入した後の働き口や保険の加入を検討しておくことをおすすめします。
失業保険と扶養に入るのはどちらがお得?
それでは上記を踏まえて、失業保険と扶養はどちらがお得なのでしょうか?
ここでは具体的な両者の金額などに触れながら解説します。
失業手当の支給額を計算しよう
再就職の意思がある場合は失業手当をもらう方が有利です。
失業手当をもらうにあたっては支給額の計算が必要となります。
- 賃金日額を計算する
- 基本手当日額(賃金日額×45~80%)を計算する
- 基本手当の総額(基本手当日額×所定給付日数)を計算する
- 毎月の基本手当額(基本手当日額×28日分)を計算する
その為にも給与所得や源泉徴収などはきちんと保管して計算してください。
年齢や前職で働いた期間などによって貰える金額が異なります。
かなり細かい手順が必要になりますので、いくら貰えるかは把握しましょう。
こういう基礎基本の収支管理を欠かさずに行ってください。
国民健康保険と年金の額を計算しよう
退職後に働く予定がなければ扶養に入るのがお得ですが、その場合も対処が必要です。
上記したように被扶養者になると低所得者であることが必須条件となります。
その為年収130万円を超えてはならず、国民健康保険と年金の額を計算する必要があるのです。
この点に関しては扶養者としっかり話し合って事前にどのくらいになるかを計算しておきましょう。
ここを疎かにすると後々定年後に年金を受け取る時に問題が発生しかねません。
たとえ働かなくなっても収支管理は生きていく上で欠かせない大切な要素です。
差額を確認する
そしてこれが最も大切ですが失業手当と扶養の差額をきちんと計算してください。
差額は「失業手当-(国保+年金)」で計算することができます。
条件によって差額は異なりますが、多くの場合はどちらか一方よりも併用した方がお得です。
上記してきた条件次第ですが、うまく収支のやり繰りを行うだけで20〜30万近くの収入を得られます。
不正受給は必ず明るみに出てしまい3倍返しという罰則がありますが、扶養との併用は可能です。
要するにタイミングと退職の理由次第なので、上手く戦略を立てておきましょう。
その為にも事前のシミュレーションをしっかり立てておくことが大切です。
扶養に入るベストなタイミングは?
扶養に入るベストタイミングは退職理由や条件によって大きく異なります。
会社都合による退職の場合は給付制限期間がないので失業保険を受給してから扶養に入りましょう。
自己都合による退職の場合は給付制限期間に1度扶養に入り、失業保険の受給開始と同時に1度抜けます。
その後失業手当の受給を全て完了してから再度扶養に入るという形が望ましいのではないでしょうか。
何れにしても失業手当をきちんと受け取った後で扶養に入るのがベストタイミングといえます。
こういうことを書くとずるいのではないかという意見もありますが、決して違法行為ではありません。
不正受給はいけませんが、きちんと守るべきルールさえ遵守すればお金は賢く受け取れるのです。
ただでさえ生きていくのが大変な現代社会ですから制度は賢く利用してください。
退職後のライフプランを考えよう
とにかく大切なことは退職後の長期的なライフプランをしっかり考えて戦略を立てておくことです。
転職するにしても扶養に入るにしても自分が将来をどう生きていきたいのかで道は大きく異なります。
失業保険も扶養も無条件に受け取れるのではなく数々の条件があり、誰でもが入れるわけではありません。
女性の社会進出が顕著な時代において、結婚すれば幸せな人生が必ずしも約束されるわけではないのです。
きちんと自分の意思で選択し、またその手段がうまく行かない場合のことも考える必要があります。
迷ったら転職エージェントに相談しよう
ここまで解説しても尚退職による扶養か転職を選ぶか迷われる方もいるのではないでしょうか。
そんな方は是非転職エージェントに相談してアドバイスを受けてください。
転職アドバイザーは女性の再就職だけではなく人生の様々なアドバイスを与えてくれます。
上記してきた内容をより詳しく噛み砕いて説明してくれ、どんな小さな苦しみにも寄り添ってくれるのです。
何よりも自分1人で苦しむ必要がないという安心感を得られるというのが大きいでしょう。
人生の主役はあくまでも自分自身であり、誰かが決めるわけではありません。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回の記事では改めて女性が退職後に行う失業手当と扶養申請の手続きに関して解説しました。
どちらが得かというよりもベストタイミングを見極めて賢く利用するのが本記事の答えです。
両者の条件や特徴をしっかりと把握した上で正式な手続きを行うようにしてください。
本記事が少しでも素敵なライフプランの組み立てに役立てられれば幸いです。
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