企業によっては、中途採用者向けに事前の社内見学会を設けている場合があります。

もし転職面接後に社内見学の機会があった場合には、どのような点を確認しておけばよいのでしょうか？

また、自分から見学を依頼する方法やその際の注意点なども含めた、転職者向けの社内見学についての特集です。

転職面接後に社内見学する時のポイントとは

転職面接を行った後、企業によっては社内見学を催してくれる場合があります。

入社したい企業の中が実際に見学できることは、とてもメリットがあるのでおすすめです。

転職をより確実に成功させるためにも、応募企業がどのような場所なのかを肌感覚で把握することは大切です。

もし転職面接の後などに社内見学ができるのであれば積極的に参加してみましょう。

その際の見るべきポンイトや質問内容について解説していきます。

社内見学は一般的？

社内見学を企画する企業は一定数存在します。ただし多くの場合は、新卒者向けの見学会のほうが目立ちます。

中途採用に向けた社内見学を行なっている会社は、数が少なくなるのが現状といえます。

理由としては社内セキュリティの関係です。

近年では、外部の人間をオフィスに立ち入らせることは望ましくないという風潮があるためです。

しかし正当な理由があって正式に申し出た場合には、事情を汲んでくれて受け入れる企業もたくさんあります。

そのため、社内見学が可能かどうかの最終判断は、その企業の方針に委ねるのが一般的でしょう。

申し出る時には、あまり無理強いはしないことが大切です。

社内見学するメリット

社内見学には多くのメリットが生まれます。

まず、社内見学を実施する企業にとってのメリットが絶大です。

応募者とのコミュニケーションが取れて相互理解をより深めるきっかけになることが分かっています。

本来ならば、社内の実情を非公開にするほうが安全です。

しかしそこをオープンにするということで、応募者へも自社の良さや雰囲気を感じてほしいという願いも込められています。

では、転職応募者にとっての社内見学のメリットについて解説していきましょう。

働くイメージができる

見学をする応募者にとっては、今後自分が働く予定となる職場の施設について、さらなる具体的なことが見えてきます。

業務の中で活用する備品・ツールなども確認できることや、事業展開への理解が肌で感じられることが最大のメリットです。

社内見学をして理想の職場であると判断できれば、内定後に辞退するようなことも少なくなります。

内定が出たら入社に向けてより積極的なビジョンが持てることでしょう。

前職の職場と比較できる

転職面接後に社内見学をすることで、前職の環境と比較することができるメリットもあります。

転職者にとって新しい職場環境は気になる点です。もちろん以前よりも快適で働きやすいことが理想といえます。

しかしもしかすると、自分が想像していたことや予定にはない経験を味わうことも考えられます。

どちらにしても譲れるか譲れないかという線引きが事前にできれば、入社後のギャップに苦しむことは少なくなります。

新しい職場は自分がどこまで妥協できるのかを判断しやすくなるからです。

実際に見ることで気づくことがある

社内見学そのものが気づきの場としてメリットを持っています。

あらかじめ伝えられていて分かっていたつもりの情報だとしても、自分の目で確かめないと不安なものです。

社内見学ができれば、具体的に見えてくることが多いでしょう。実際に働くスタッフの何気ない会話なども耳にできます。

それに、面接の際に聞けなかった質問ができるメリットもあるからです。

社内見学の依頼方法やタイミングは？

企業側からの誘いなどで社内見学ができるのなら、迷わず積極的に参加をすることが望ましいでしょう。

もしそうではなく、自ら社内見学を申し出たいという場合にはどのような手順を踏めばよいのでしょうか？

社内見学をしたい旨を伝えるためにはタイミングが要ります。

ここでは、常識をわきまえた社内見学の依頼方法について解説しましょう。

依頼方法は？

 

転職面接後に社内見学を自ら依頼したいという場合にはいくつか方法があります。

直接電話で問い合わせてみるか、もしくは公式サイトで問い合わせてみたり、メールを送る方法が考えられるでしょう。

最近では、アポイントメールを希望企業へ送信することが基本となっています。

その際のメールは、ある意味でビジネスメールに近い概要と思って送るよう心掛けるようにしましょう。

ビジネスマナーとして通用する内容で整えた文面にして、誤字・脱字に気をつけて送信することです。

社内見学希望の旨は事前に伝えよう

社内見学を希望するとなったら、いきなり伺うことはとても失礼な行動です。

必ず担当者に確認して、改めて日時を決定してもらいましょう。

採用担当者だけではなく見学する部署のスタッフも当日対応することになるはずです。

つまりその部署全体のスケジュール調整が成立しなくては実現できません。

事前に社内見学の希望を早めに伝える配慮をしましょう。いつ頃が良いのかは、双方のメールのやり取りなどで決定させます。

社内見学する時に見ておくべきこと

転職面接後に社内見学をする場合には、いろいろと見て確認する事項があります。

就職した会社が自分に合わないと感じる理由として多いのが、職場の雰囲気・人間関係に問題がある場合です。

転職する本音の部分では、まず快適に働けるかどうかを肌で感じ取ってみたいはずではないでしょうか？

社内見学をすれば、そこで働くスタッフと少し会話ができることもあり、自分に相応しい環境なのかを判断できます。

そのチェックをする意味でも、社内見学の時に確認しておきたい重要ポイントを解説します。

社内の雰囲気

オフィスへ最初に通された時に最初に分かるのが職場の雰囲気です。

概ねでは、賑やかさのある場所である場合・各々が黙々と仕事している場合に大別できるでしょう。

その社内で実際に自分が働いている姿を想像してみると、何となく自分に相応しいかどうかが判断できます。

性格的にコツコツと集中して仕事をしたいのなら、あまり賑やかな職場は似合わないかもしれません。

あるいは全体で議論を重ねてチーム制で仕事をしたいのであれば、物音一つしないオフィスは息苦しく感じるはずです。

スタッフも表情にも声にはならない真実が隠れているものです。スタッフはいきいきと仕事をしているのでしょうか？

オフィスの備品や清潔さ

率直のそのオフィスへ入った瞬間に、どのような気持ちがよぎるでしょうか？

入社予定の職場が不潔で不快な場所だとしたら誰しも嫌なはずです。

職場の衛生環境が悪い会社はスタッフを卑下している可能性があります。

実際に現場がどのような状態で機能しているのかを、社内見学の時によく見て回るとよいでしょう。

整理整頓されているか・床や壁が汚れていないか・照明は適切か・トイレは清潔かといった項目を考えておくとよいでしょう。

社員の態度

あなたを当日ナビゲートしてくれる担当者はもちろんのこと、それ以外の社内スタッフはどのような印象ですか？

社内見学をした時に必ず目に入るのがスタッフの働く姿です。来社した自分に対して挨拶をしてくれるでしょうか？

社内見学は来客扱いと一緒です。

そのため普通の常識ある企業であれば、気持ちよく迎えてくれる体制を考えていなくてはなりません。

しかし普段から正当な社員教育をしていない企業には、挨拶もできないスタッフもいるのです。

すれ違うスタッフの第一印象もチェックしましょう。もちろん第一印象がすべてではないので誤解をしてはなりません。

しかし、社会人の最低限な身だしなみやマナーが定着していない企業は、きっと入社して後悔する可能性が高くなります。

社内見学する時の注意点

社内見学をさせてもらう側にも注意点があります。

それは企業にマナーがあるのと同様に、社内見学中のマナーもあるということです。

社内見学をしている姿・態度などは、評価の対象になる可能性があります。

採用の合否に直接的なものではないとしても、一般的なマナーが守れていない人物はマイナスの印象を植え付けてしまいます。

極端に緊張する必要はありませんが、決して気を抜かないことが肝心です。

自分も身だしなみや見学中の動作・態度に十分な注意を払って行動しましょう。

社内見学する時の質問内容

社内見学のコースの中には質問時間が設けられていることがあります。

質問時間を有効に活用すると好印象を与えることが可能です。事前に質問事項を準備して、本番で率直に聞いてみましょう。

不安や悩みが解消できて安心できるはずです。ただし質問事項は事前に精査しておく必要があります。

では社内見学の際にはどのような質問をしたらよいのでしょうか？

仕事内容

社内見学にて質問する際の主流となるのが仕事内容についてです。

実務についてのより具体的なことを質問をすれば、入社してからの自分の業務について想像ができます。

また、キャリアビジョンを描くための参考にすることも可能です。

事例としては、この仕事をする喜びややりがいを聞いたり、毎日の業務の進行についてなどを聞くと答えてくれるでしょう。

社員や社風

その企業に勤めているスタッフの特徴や社風に関する質問もしてみましょう。

より現実的な項目でもあるため、意欲があることを前面にアピールできるメリットがあります。

また、社風やスタッフについての質問をすることで、あたかも自分も働いているイメージが湧きやすいのも特徴です。

事例としては、その企業特有な社内イベントがあるか・実際に社内見学後に入社したスタッフはいるのかなどが適当でしょう。

転職に関する内容

もし担当する当日のスタッフが転職経験者だとしたら、転職活動についての経験を質問をしてみてもよいでしょう。

誰しも転職活動中は不安になります。

それをクリアして入社した先輩でもあるので、転職についての経験をアドバイス的に伺うことができるはずです。

事例としては、入社を決めたきっかけについて・転職活動の中で悩んだこと・やっておくべきことなどがあります。

質問してはいけないNG例

社内見学では積極的に質問をするよう心掛けたほうが好印象です。

しかし、質問内容によっては避けておいたほうが無難なものもあります。

ここでは、転職面接後の社内見学にて聞かないほうがよいNGな質問について解説していきましょう。

調べればわかること

既に知っていなくてはおかしい情報は今更聞いてはなりません。

どの企業もホームページやSNSなどを活用していることが目立つ時代です。

重要で表面的なことは公式のサイトを見れば必ず掲載されています。

そのような、調べればすぐに見つかる情報については質問しないほうが無難です。

企業理念やミッションなどの基本項目は、それらを分かった上で応募してきたことが前提ではないでしょうか？

今になって聞くこと自体がナンセンスです。

残業の有無や時間

直接的な待遇や制度については聞かないようにしましょう。

残業や給与体制などの項目は、社内見学の時に聞く質問として相応しくありません。

主体性が欠如した内容や福利厚生に関する直接的な内容は、和やかに進行する社内見学の場に合いません。

そのため印象のよくない質問とされています。これらの直接的な内容も、既にある程度は把握している段階でなくてはなりません。

転職の悩みは転職エージェントに相談しよう

社内見学も含めた転職活動の作法やマナーを詳しく知りたい場合、転職エージェントに登録して聞くことをおすすめします。

転職エージェントは転職活動についての専門家です。

採用試験の流れや面接時の対応・その後の進行についての注意点に至るまで、転職のあらゆる相談にのることができます。

まとめ

企業への訪問は、採用試験や面接試験の時だけというパターンが通常です。

その中でしっかりと社内見学を催してくれる企業は一般的に優良だと考えてよいでしょう。

本来であれば社外秘という言葉があるように、社内のイメージや重要なことが外部に漏れることを恐れている時代です。

にもかかわらず、これから入社予定の人物への配慮をしてくれています。

積極的に転職者を迎え入れる準備ができていることの表れです。社内見学は可能な限り参加してみるとよいでしょう。

入りたい企業なら、チェックするポイントがたくさん出てくるはずです。

自分の新しい場所として最適な職場かどうかを冷静に判断してみてください。